蜷川有紀展「薔薇の王国」
会期: 2022-05-14 - 2022-05-22
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
平面
開催内容
そうだ、あの馬に乗り空を駆けるのです。
洞窟のなかの古代人のように。
神話のなかの神々のように。
時空を超え、変わらないものを求めて。
自分の奥深くにあるものが、
国境を超え、時代を超え
誰かと繋がっていることを信じて
今日も創作に励みます。
2008年に画家として
Bunkamura Galleryでデビューして14年。
応援してくださった皆さまにこの場をかりて
心より御礼申し上げます。
BY YUKI NINAGAWA
「自分がやりたいことに、ゼロから取り組みたい」という想いから、2005年に長年続けていた女優業を休止し、その後は絵の世界に一意に情熱をかけてきた蜷川有紀。画家として成熟した彼女が描く世界はより深淵に、そして荘厳さを増し、なお華々しく咲き溢れています。
赤色にひときわこだわりを持つ彼女が用いるのは、卑弥呼が愛したと伝わる『紅辰砂(べにしんしゃ)』。色褪せず真紅の輝きを放つ岩絵具で描かれた代表作「薔薇」の作品群は、まるで永遠の命と美の渦巻く宮殿へと観る者を誘います。そして本展では「王国」をテーマに、物語性と情緒に富む新作をご紹介。時代も国も超えて描かれるその地の姿は、途絶えることのない人類の希望を感じ取ることができます。また近年制作したダンテ『神曲』《地獄篇》の一部を切り分けた作品群も展示販売。プロジェクションマッピングと組み合わせた展示空間では、より深紅の世界へ没頭することができるでしょう。
Bunkamura Galleryでは4年ぶりとなる待望の個展。未曾有の災禍により変化の多い日々を過ごす中でも、変わらず真摯に絵画へと向き合い、自らの表現を生み出すことを続けた蜷川。今この瞬間の彼女にしか描けない、ユーモラスで詩情溢れる世界の炸裂をぜひご堪能ください。