炭田紗季 solo exhibition 『大 魔術師』

大魔術師
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    会 期
    20120131日 -  20120229
    開催時間
    12時00分 - 18時00分
    休み
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    クリエイター在廊

    1月31日 炭田沙季 在廊 12:00-16:00
    この情報のお問合せ
    BAMI gallery
    075-585-8660
    情報提供者/投稿者
    開催場所
    BAMI gallery
    住所
    〒600-8824 京都府
    京都市下京区二人司町21番地
    最寄り駅
    河原町
    電話番号
    075-754-8154

    詳細

    参加クリエイター

    展覧会内容

    炭田紗季 solo exhibition 『大魔術師』を開催いたします。

    描く対象に意味付けをする行為、寓意画などに興味がある。出品作品は主に美術史上の出来事に着想を得ている。既に、検証されてきたことを、今私が身の周りにあるモノや光景を用いて再度なぞらえてみる。そこから現れてくる元来のものとの差によって、現在私を取り巻く価値観、宗教観、存在意義などを探ろうと試みている。(炭田紗季)

    常に変化を遂げる真実とは魔術のようなものではないか?魔術が解け、新たな魔術にかかる。ある時代までは真実として広く世間では認識されていた、所謂常識という枠組が、ある時点からそれは大きな変貌をとげ非常識となる。この極端な変化、変化というポイントが人間にとって大きな意味がある。しかし、このような事を繰り返し、真実を求め続ける人間という存在は何を探し求めているのだろうか?そして何がその魔術をかけているのか?又魔術とは何か?今我々が堅持している常識は本当に真実なのか?炭田紗季は自らが生活する現代という時代を材料として魔術の深部を探求しようとしている。                                                     (director 上山潤)

    炭田紗季 solo exhibition 『大魔術師』について-COMBINE director 上山潤 2012.1

    岡山県牛窓在住の炭田紗季と出会ったのは今から7ヶ月前、昨年の夏、香川県高松だった。提示された過去の作品を纏めたポートフォリオのページをめくるといきなり左図にあるようなピンク色の世界が視界に飛び込んできた。しばらく眺めるとピンク色の世界が落ち着き、気にならなくなった所でモチーフが浮かび上がってきた。その時、言わんとすることはすぐに理解できた。

    物が存在するには理由がある。それぞれに意味があると言っても良い。しかし、本来的な意味を無視したところ、今この時点で唯存在しているという客観的な視線を対象物に向けると、そのフォルム(形)は別の物に変化しだす。日本画の世界で言うところの“見立て”という考え方の範疇に近いが、そういった見方で物と物とを組み合わせると、元来持ち得なかった意味が生まれ、新たな物語が動き出す。絵描きという人種が魔法をかけた瞬間とでも言おうか?そういった魔術を持つものが絵描きというのか?いずれにしても人間の固定観念をほんの少し弄ることにより、新たな世界観を可笑しく可愛く生み出しているなぁ、、と感心した。

    その後、新作として私の前に提示したのがスターバックスと富士という内容の作品である。この図はインターネットの図像を参照に描かれている。当然実際に存在する風景なのだが、上記のような可笑しさは取り立てて感じる事はない。
    しかし、それはこの時代に生きる我々が感じる感覚であり、原始的な富士という存在を絵にしようとした時、果たしてこのような構図を選択するだろうか?という単純な疑問に突き当たる。日本の歴史においてある意味普遍的な存在の象徴と増幅を繰り返す現代資本主義社会に生れ落ちたスターバックスという対比には恐ろしい時間軸の違いが存在する。その差の中に含まれているものとは一体なんなのか?このような図像を日常的に見ている我々の感覚というのは一体?と考えさせられてしまいます。富士という固定的な背景に浮かび上がるレイヤーとしての現代。人間の歩みの中に内包されている当然だと思っている事への曖昧さ、この静かな絵には彼女独特の何十年も先から現代を見るような冷徹な視線を感じました。

    このような制作の流れを汲んで迎える今回の個展ですが、彼女はタイトルを『大魔術師』と決めました。

    ある時代までは真実として広く世間では認識されていた、所謂常識という枠組みが、ある時点から大きな変貌をとげ非常識となる。ある意味、人間の歴史における宿痾のようなサイクル、魔術師がいて成し得たかのような劇的な変貌と差異。彼女は自らが生き生活する現代社会という時代、その材料から変貌という名の魔術、その差異を考察し表現する。

    常に変化を遂げる真実とは人類に対しての魔術のようなものではないか?魔術が解け、新たな魔術にかかる。このような事を繰り返し、真実を求め続ける人間という存在は何を探し求めているのだろうか?

    そして何がその魔術をかけているのか?
    古代と現代、そこに生きる人間の差とは何か?
    なぜ人間は真実を追究し続けるのか?何がそれをさせているのか?

    今回の絵の中央に描かれた3億年前から変わらぬ姿で現代に存在するゴキブリが静かに語りかけてくる。

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