安達ロベルト作品展ーFREQUENCIESー
会期: 2022-05-03 - 2022-05-08
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展覧会詳細
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その他
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開催内容
人はその内に波を有し、波をもって意思疎通をし、波を使って宇宙とつながる。
波には周期、すなわち周波数(フリークエンシー)がある。
周波数というものを初めて意識したのは12歳、小学6年のときだった。アマチュア無線に興味を持ったのだ。
試験勉強の過程で、電波とはその名の通り電磁の波で、アンテナはその波の振れ幅に合わせた長さになっていることを知った。
無線を通して海外の人々と交信するようになって、彼らの文化に興味を持ち、いくつかの言語を学んだ。
言葉は空気の波であり、その変化のかたちが意味を持つ。
その後音楽を始め、それぞれの楽器が出す異なる波形やその周波数の高低を用いて、より抽象的な表現をするようになった。
リズムもまた波である。
写真をするようになると、より高い周波数の電磁波、つまり光を扱うようになった。
日々内観していると、内側には意識の波があり、その周波数が日々変化することがわかる。
ざわついている日もあれば、凪いでいる日もある。
ハートは、それに部分的に影響されながらも、固有のリズムを刻む。
バイオリズムや生理現象も内なる波である。
それは惑星や衛星、宇宙のリズムに呼応している。
展示作品では、十代前半から一貫して興味を持ってきた周波数を象徴するものとしての波を主なモチーフにしている。
それは内なる波の反映であり、コミュニケーションのかたちであり、あるいは昨今の世界の混乱にたいする非常に個人的な祈りである。
水彩、油彩による絵画の新作に、ゼラチンシルバープリント写真の旧作を添えて。