開催時間 |
13時00分 - 19時00分
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クリエイター在廊 |
有
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入場料 |
無料 |
この情報のお問合せ |
ギャラリーヨクト 03-6380-1666
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イベントURL | |
情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒160-0004 東京都
新宿区四谷4-10 ユニヴェールビル102 |
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最寄り駅 | 四谷三丁目 |
電話番号 | 03-6380-1666 |
母がアルツハイマー型認知症のため入院することになったのは2015年8月のことだった。それから一度転院し今の病院に移ってから今年で5年目になる。
コロナ禍になりリモート面会ばかりで満足な面会はできずにいたが、昨年末久しぶりに母と面会することができた。面会といっても病室の外のエレベーターホールで、アクリル板の向こうのベッドに寝かされている母を見るというものだった。それでも私も父も嬉しくてベッドに寝ている母に向かって声をかけ続けた。リモートの画面越しでは感じることができない母の肌の質感や表情を見ることができた。母はもう話すことはできないが、それでも必死に目をつぶったりしながら私と父に伝えようとしている。クリスマスプレゼントだという羊のぬいぐるみが母の隣に寝かされていたのが可愛らしかった。毎年貰うこのぬいぐるみは、なぜかすぐにいなくなってしまう。
ほどなくオミクロン株の感染拡大により案の定、面会はまたリモートに戻された。早く母に触りたい。普通に面会できる日が来ることを心から願っている。
子供のころから30年間住んでいた団地には蝉がたくさんいた。夏になるとコンクリートの隣の土に穴が空き、蝉が出てくる。地面にぼこぼこたくさん開いた穴は自分の住んでいる狭い団地のようだった。蝉はあまり得意ではないけれど、蝉の羽化を見るのは好きだった。羽化したばかりの蝉の体は白く透き通りとても綺麗だ。一週間ほどで生涯を終える蝉は人間から見ると儚さの象徴でもある。
うつせみとは、辞書によれば、蝉の抜け殻、この世の人、生きている人間とある。人間の平均寿命と蝉の一生は地球規模からすれば実は同じ程度なのかもしれない。