小栗沙弥子展「壁と待つ」
会期: 2022-03-19 - 2022-04-10
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
愛知県美術館
木
現代美術
コラージュ
紙
立体
彫刻
現代アート
開催内容
小栗沙弥子は岐阜県出身。これまで国内外で作品を発表、あいちトリエンナーレ2010にも招聘されました。
愛知県美術館が美術品等取得基金(第三弾)にて購入した64作品の内、小栗作品が20点コレクションされており、同美術館での「2021年度第3期コレクション展 令和3年度新収蔵作品展」で展示されていたのも記憶に新しいところです。
以下DMより)
かつて日本画を学んでいたが現在、絵は描いていない。もちろん描くことは好きなのだが、素材の道理に自分を時間を合わせなければならない、単にそれを楽しめるタイプではなかったからだ。以来、菓子の包み紙や服のタグ、人から貰ったメモであったり、街中で拾った紙くず……専門的な〝遠くにあるもの〟ではなく、身の回りで見つかる〝近しいもの〟を素材にしてきた。道具にしても、キャンバス木枠を彫り込んだ〈飾〉も彫刻刀ではなく極普通のカッターで削り出しているそうだ。
しばらく制作していなかった<地面を壁を歩く>に見るような半立体的なコラージュ作品は2019年、ブラジルに渡り再開された。異国の地、サンパウロのどこにいるかも曖昧なままに生活する中、地図を検索し否応なく街を俯瞰する機会が増えたのがきっかけかもしれないという。対象となる何かではなく、つくるのは空間か。タイトルの通り、心のままぶらり歩いてゆくように手を動かす。「つくっているときは近く、できてしまえば遠い」とは小栗の言葉だが、完成したものを眺める時、己が迷い込んだはずの、この世ならざる路地が余りに易く俯瞰できてしまうからだろう。
拾ったら、直ぐにつくることもできる。立体にするため先ず一つ折り、そのまましばらく傍らに放置しておくことも自由だ。近く、遠くの手仕事はじめ。そう、散歩に出かけようと腰をあげるまで。