カタクラケンタ個展 彼我の境
会期: 2022-02-23 - 2022-02-27
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
クラフト
展覧会タグ:
根付
開催内容
カタクラケンタの作家活動は、ジュエリー学校での学びが起点です。
2010年の卒業後、私どものギャラリーにも接点があり根付制作を促したことがありましたが、それには向かわず、数年間は「非実用的なアート」としてのジュエリー作品や、造形的な作品(終末を想起させる花や植物的な形状のオブジェなど)を制作してきました。
その後、弊ギャラリーがマレーシアのアートフェアに参加するきっかけで再び縁があり(カラクラはマレーシアをルーツに持つ家系です)、2019年から現代根付作品にも意欲を持って取り組んでいます。
ジュエリーを学ぶ中で培ったデザイン感覚と有機的な半抽象の造形感覚を持つカタクラが、非実用としてのコンテンポラリージュエリー制作を経た後、実用制約の中にある根付彫刻の制作に挑戦する、非実用と実用の大きなシフトチェンジに向き合う姿を見守っていきたいと考えています。今後、コンテンポラリージュエリーや今日的な美術のフィールドに身を置いた経験からの現代根付へのアプローチ、また逆に根付彫刻制作の技術や経験がオブジェ制作にもたらす影響にも期待しています。
今回は、新作の現代根付作品、造形作品をギャラリースペースに展示し、過去に制作した作品なども別途ご覧いただけるようご用意いたします。どうぞお楽しみになさってください。
(Gallery花影抄 橋本達士)
【作家の言葉 カタクラケンタ】
今回の個展では、新作の根付彫刻5点と抽象造形作品5点を発表いたします。
共通して立体という表現ではありますが、具象的である根付彫刻と抽象的なオブジェクトが並ぶ2人展のような展示となります。
その両方ともが紛れもなく私の作品であり、扱うテーマも生と死、過去と未来、記憶と忘却など、対極にあるとされる意味合いが作品ごとに入れ替わっていき、それゆえ展示空間は多くの矛盾を孕むでしょう。
その二元論的思考から生まれる矛盾のなかで、境目はどこなのか、溶け合える点は存在するのか。
そんな有るかもわからない、有ったとしてもきっと真っ直ぐではない境界線を見出せないか、という意味を込め「彼我の境」というタイトルとしました。
おそらくコロナ禍の落ち着きもまだ見えぬ中での開催となります。
直接のご来廊・Web上での鑑賞問わず、多くの方にご高覧いただければ幸いです。
【作家の言葉 カタクラケンタ