開催時間 |
11時00分 - 19時00分
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休み |
日曜日,月曜日,祝日
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入場料 |
無料 |
作品の販売有無 |
販売有
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この情報のお問合せ |
アンドーギャラリー
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒135-0023 東京都
江東区平野3-3-6 |
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最寄り駅 | 清澄白河 |
電話番号 | 03-5620-2165 |
平川祐樹は1983年愛知県生まれ。場所や事物に宿る「固有の時間」をテーマに、メディア考古学を応用した映像作品を制作しています。近年取り組んでいる、失われた映画を扱った「Lost Films」シリーズは国内外で高く評価され、2019年にはロッテルダム国際映画祭(オランダ)、オーバーハウゼン国際短編映画祭(ドイツ)、ショートウェーブス映像祭(ポーランド)など数々の映画祭にて招待上映されています。主な展覧会に2013年「眠りにつくまで」(美濃加茂市民ミュージアム、岐阜)、「あいちトリエンナーレ2013」、「札幌国際芸術祭2014」、2016年「19th DOMANI・明日展」(国立新美術館、東京)、2021年「ストリーミング・ヘリテージ | 台地と海のあいだ」(名古屋市内各所)などがあります。
アンドーギャラリーで3回目となる本展では、「Lost Films」のテーマを継承しながらも、全く新たな展開を見せる「a film by」シリーズから最新3作を発表いたします。「a film by」とは、映画の冒頭やエンディングで監督名を表示する際によく使われる文章です。「Lost Films」の制作過程で、平川はある事実に興味を持ちました。それは、多くの戦前映画のフィルムが行方不明、あるいは消失しているにも関わらず、映画のスチル写真は未だに多数存在しているということでした。かつて一つの物語を形作っていた映画が、スチル写真という断片としてのみ現存し、その断片化した情報から僅かながら物語の痕跡を読み解くことができるのです。平川は「a film by」の制作にあたり、行方不明となっている戦前日本映画のスチル写真を探し集め、そこに写っていた空間や小道具をスタジオに再現して撮影を行ないました。スチル写真の多くは元の映画を特定することが難しく、役者の組み合わせや製作会社など僅かな情報から映画の特定と再現が進められていきました。それはまるで考古学者が遺跡を発掘し、かつてそこにあった建物を思い描くようなプロセスだったといいます。
再現された薄暗い空間の中には、小道具の他に石膏でつくられた手や耳など、人物の断片が配置されており、それらをカメラがゆっくりと横移動しながら撮影しています。平川は、すでにこの世に存在しない役者たちを再現する方法として石膏を用い、いわば「抜け殻」としての身体を表現しました。部分のみ石膏で再現された身体は、ある種の匿名性を帯び、再現された複数の映画の中に共通項として現れてきます。また、身体の一部のみが再現され、全体が消失しているという状況は、作品構造自体のメタファーとして捉えることもできます。再現された映像は、行方不明の映画の1カットにも満たないものですが、それらが同時間軸、同空間上に展示されることにより、本来全く関係のない他の映画のカットとゆるやかに繋がり、そこに新たな物語の予兆を感じさせます。こうして一人の作家によって再現された物語の断片は、一遍の大きな物語を構成していきます。本作「a film by」は、戦前日本映画の再現を出発点としながらも、単なるリメイク映画に留まることなく、我々人間という死すべき者たちの存在、決して逆らうことのできない時間、それでもなお瞬間を記録し留めようとする人々の行為、そんな芸術全般に対する問いかけをも内包しているのです。