安達裕美佳 個展 あるひのこと

  • 印刷する
  • add calendar
会 期
20210522日 -  20210613
開催時間
11時00分 - 19時00分
休み
月曜日,火曜日
入場料
無料
展覧会の撮影
作品の販売有無
販売有
この情報のお問合せ
【新型コロナウィルス感染予防ご協力のお願い】
・発熱や咳、だるさなどの症状があるお客様は、御来廊をご遠慮いただきますようお願い申し上げます。
・マスクの着用と、入口で手指のアルコール消毒をしていただきますようお願い申し上げます。
・ギャラリー内が混雑した際には、入場を制限させていただく場合がございますので、その際はご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
・新型コロナウィルスの感染拡大の状況によって、営業時間の変更及び会期の変更の可能性がございます。最新情報などはホームページ及び各種SNSにて
イベントURL
情報提供者/投稿者
開催場所
KATSUYA SUSUKI GALLERY
住所
〒152-0022 東京都
東京都目黒区柿の木坂1-32-17
最寄り駅
都立大学
電話番号
0357269985

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

展覧会名:安達裕美佳「あるひのこと」
会期:2021年5月22日(土)〜6月13日(日)
営業日:水曜日〜日曜日 定休日:月曜日・火曜日
営業時間:11:00〜19:00
会場:KATSUYA SUSUKI GALLERY
〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1−32−17
TEL 03-5726-9985 FAX 03-5726-9986
Mail info@katsuya-susuki-gallery.com
HP  https://katsuya-susuki-gallery.com
交通アクセス 東急東横線「都立大学駅」より徒歩5分

KATSUYA SUSUKI GALLERYでは5月22日(土)から6月13日(日)まで、安達裕美佳による個展「あるひのこと」を開催いたします。
1987年に東京生まれ、2012年に東京造形大学大学院美術研究領域を修了した安達裕美佳は、在学中より個展を開催するほか、グループ展にも積極的に参加し精力的に作品を発表しています。
その表現方法は絵画に留まらず、インスタレーションや写真、様々なジャンルのアーティストとのコラボレーション、パフォーマンスなど多岐にわたります。
この度、安達にとって3年ぶりとなる個展「あるひのこと」では、日常生活の中で蓄積されてきた記憶の断片をキャンバスに落とし込んだ絵画作品が中心となります。
パーソナルなものである記憶を、「あるひのこと」という日時を限定させない言葉で括り普遍性をまとわせることで、鑑賞者が作品と向かい合った時に自身の記憶と重なり合い、作品は鑑賞者の「あるひのこと」になります。
日々流れていく時間の中で、消えそうになっている記憶の中からすくい上げられた、パーソナルでありながら普遍的な記憶の断片の数々。
是非、ご高覧下さいますようお願い申し上げます。

******************
泳ぐ人
安達裕美佳の作品の前に立つと、描かれた線や色面を追って、目が大きく動く感覚が起こる。それは、力強い、そして注意深い、決断によって画布に絵筆を走らせる姿を、追体験することになるからだ。やがて、その画面は目と腕だけで産みだしたものではなく、彼女の全身の動きによって表されたものだと気付く。画面に描かれた街の一角や人々、木々や草花は穏やかに静止しているにもかかわらず。
 では、その動きはどこで発生しているのだろうか。作品に現わされた光景は、安達の記憶と結びついているようだが、おそらく記憶はその先へ進むためのきっかけでしかない。白い画面と向き合い、自分の記憶と描く行為の奥へと、一筆ごとに踏み込んでいく。それは夢心地の世界と言い換えてもいいのかもしれない。夢ではない。現実でもない。そのあわいに存在する世界を探索しているかのようだ。
 安達の作品が簡潔にして断片的な姿をとることが多いのは、なにかを手にした瞬間を画面に移し替えているからだろう。重層的な形態をとった場合は、自分の生を越えた時間の経過のなかに手を伸ばそうとしているのだと読み取ることができる。夢と現実のあわいに身を浸し、手足を大きく広げ、自由形で進み続けることで、自分の生の実体と、その鮮やかさに触れようとしている。
野田尚稔/世田谷美術館学芸員
******************
アーティスト・ステートメント
「拝啓 八重桜と藤が大森で満開の頃、如何お過ごしですか。カナダは陽気も好く父が贈ってくださった子供達の鯉のぼりが泳いでます。」

 2021年4月3日、祖母が旅立った。その日、祖母の家の八重桜と藤は、祖母の旅立ちを祝福するように、私たちをもてなすように咲き誇り、また、残された者が悲しみにくれない配慮として、やさしい祖母がくれた贈り物だったのかもしれない。冒頭の文は、告別式にコロナ禍で帰国できなかった弟から寄せられた手紙の一節だ。しまっていた涙がこの時一気に溢れ、会場の皆んなの啜り泣きと共鳴した。幼い頃、共働きの両親のために、祖母は大森から私たちの住む世田谷に通い、孫4人の面倒を見てくれていた。祖母が来ると、暖かく、おいしい食事が用意され、部屋はすっきり整った。それは普通の家庭生活なのかもしれないが、私たちにとっては大きな幸せだった。
 3月29日、祖母の危篤を知って会いに行ったあの日も、世の中はソメイヨシノの花盛りだった。この日、祖母の家は人の出入りがあると聞いていたが、予想に反して、部屋はしんと静まりかえり、叔母が一人、発芽した金柑の手入れをしていた。この時、まだ祖母は落ち着いていて、穏やかな顔で眠っていた。二人っきりで対面したのは、これが最後となった。
 祖母の家にあった古いアルバムや、告別式に飾られていた祖母の昔の写真を眺めているとき、祖母の記憶の彼方へと吸い込まれるような感覚に陥った。6人兄弟の長女として弟妹たちの面倒を見てきた祖母、ひときわ可憐な学生時代の祖母、凛とした母になった祖母、私の会うことのできなかった祖父の長い闘病生活に寄り添い続けた祖母。やさしく朗らかな人柄の中に表には見せない芯の強さを持っていた。

 展覧会が決まった当初、私は私の日常にある「あるひのこと」を淡々と描くつもりでいた。しかし、祖母の死を目の当たりにして、私の世界に祖母が頻繁に現れるようになった。それから朝夕散歩をするたび、開花する花や勢いよく育っていく新緑を眺め、「ありがとう」という気持ちが溢れてきた。美しい花や木々を眺めると、そこに祖母がいるような気がした。そんな祖母への想いを吐き出すように「あるひの祖母」やその後の「あるひ」の断片を描き落としていくことになった。

 どんなことがあっても季節は流れ、蕾が開き、花が散り、新緑に沸き立つ。その変化し続ける風景は、変わりながらも変わりなく、淡々と過ぎていく。

安達裕美佳
******************

【安達裕美佳 Yumika Adachi】
1987 東京生まれ
2010 東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻卒業
2012 東京造形大学大学院美術研究領域修了
◉ 個展
2009 「近今館 」node
2011 「GUNMA」SPACE/ANNEX GALLERY
2012 「行為かじょうが」blanClass(パフォーマンス)
「アリス時計、ポストカードそしてレコードジャケット」Woodberry Coffee
2015 「第5回世田谷区芸術アワード“飛翔”受賞記念 安達裕美佳展」世田谷美術館区民ギャラリー
2018 「散歩するエメラルド」S.Y.P Art Space Gallery and Lab
◉ グループ展
2011 グループ展Satellite9ホンマタカシ企画『Our Mountain』UTRECHT/NOW IDeA
2012 「パフォーマンス&ファッションショー/安達裕美佳×高松太一郎」time spot|cafe+studio
2014 グループ展『撤収展』ハンマーヘッドスタジオ
2020 阿佐ヶ谷アートストリート2020
◉ 受賞歴
2012 東京造形大学修了制作展『 ZOKEI展』 ZOKEI賞受賞
2015 世田谷区芸術アワード“飛翔”2015受賞

平均:0.0 
レビューした人:0 人

近くの展覧会

人気の展覧会

<<        >>

クリップした展覧会はありません。