クールベと海 展 -フランス近代 自然へのまなざし

ギュスターヴ・クールベ 《エトルタ海岸、夕日》 1869年 油彩・カンヴァス 新潟県立近代美術館・万代島美術館

ギュスターヴ・クールベ 《エトルタ海岸、夕日》 1869年 油彩・カンヴァス 新潟県立近代美術館・万代島美術館

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会 期
20210410日 -  20210613
開催時間
10時00分 - 18時00分
入館は17時30分まで
※5月7日(金)、6月4日(金)は夜間開館のため20時00分まで開館(入館は19時30分まで)
休み
水曜日
入場料
有料
一般 : 1000円/65歳以上 : 900円/大学生 : 700円/中・高校生 : 500円/小学生以下 無料
※20名以上の団体は100円割引 ※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。
作品の販売有無
展示のみ
この情報のお問合せ
050-5541-8600(NTTハローダイヤル)
情報提供者/投稿者
開催場所
パナソニック汐留美術館
住所
〒105-8301 東京都
港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4F
最寄り駅
汐留
電話番号
050-5541-8600

詳細

展覧会内容

19世紀フランスを代表するレアリスム(写実主義)の巨匠ギュスターヴ・クールベ(1819-1877)。クールベが描いた海をテーマに、同時代の画家たちが描いた風景画も展観する本展は、とりわけクールベが1860年代以降に集中的に取り組んだ「波」連作を中心に紹介し、レアリスムの巨匠が捉えた海景画の同時代性と特異性に迫ります。
クールベは、現実を理想化して表現するそれまでの絵画を否定し、目の前の世界をあるがままに描くことで、既存の政治や美術制度に敵対的な態度を表明してきました。一方でクールベは、故郷フランシュ=コンテ地方の切り立った山や森、そこに息づく動物たち、フランス北部のノルマンディー地方の海など、厳しい自然の姿を繰り返し描いています。
スイス国境近くの山々に囲まれた小さな町オルナンに生まれたクールベが、初めて海を目にしたのは22歳の時。うねる波、どこまでも続く水平線に圧倒され、特に1860年代以降、好んでその情景を描き、当時の人々から賛辞を得ました。
波のみに肉薄したクールベの作品には、それまでの時代に描かれた物語性や感傷性に富む海とも、後の世代が描いた海水浴や浜辺での社交の情景を描いた身近な海とも、異なる視点で海が捉えられています。
本展では、クールベの海の絵画を中心として、故郷を描いた風景画や狩猟画、またモネやブーダンなど他の画家たちによる海を描いた作品を含む約60点を展観し、海、そして自然へのまなざしが大きく変わる時代にこの近代絵画の革新者がどのように自然と対峙したかを探ります。

第1章 クールベと自然―地方の独立
スイスとの国境に近い山間の地、フランシュ=コンテ地方オルナンに生まれ育ったクールベは、険しい断崖や小高い草原、洞窟の多い水源地、そして木陰の川などが特徴的なこの土地を繰り返し描いています。本章では、20歳でパリに上京してからも、頻繁に帰郷しては描き続けたこの土地の風景画を、19世紀フランスを代表する風景画家たちの作品とあわせて展観し、クールベの描く風景画の革新性に迫ります。

第2章 クールベと動物―抗う野生
若い頃から大自然に囲まれて育ち、秋になると狩猟も楽しんだクールベにとって野生の動物は身近な存在でした。本章では、クールベが表現した、人間に狙われ、支配される動物や、自然の中に生息する動物の伸び伸びとした様子をご覧いただけます。同時代に活躍したバルビゾン派の画家たちが描く、田園情景の中の飼いならされた家畜との比較をお楽しみください。

第3章 クールベ以前の海―畏怖からピクチャレスクへ
自然へのまなざしが大きく変わる18世紀から19世紀にかけての西洋。海景画においても、それまで国の富を象徴する目的で描かれてきたものが、この時代には海そのものが鑑賞の対象として描かれるようになります。本章では、この自然へのまなざしの転換期に描かれた、畏怖と崇高の対象としてのドラマティックな海景画を紹介します。

第4章 クールベと同時代の海―身近な存在として
19世紀、パリから沿岸部の主要都市への鉄道が次々と開通すると、それまで畏怖や崇高の対象として鑑賞されてきた海は、急速に人々にとって身近な存在となります。パリの中産階級の人々は、休日になると鉄道に乗って海岸へ出かけ、海辺での余暇を楽しみました。本章では、クールベと同時代に活躍したブーダンやモネ、カイユボットらが捉えた身近な存在としての海の情景を紹介します。

第5章 クールベの海―「奇妙なもの」として
山間地で生まれ育ったクールベが初めて海を目にしたのは22歳の時。クールベはその時の海の印象を「奇妙なもの」と表現しています。それから20数年後の1865年から1869年にかけて、クールベは毎年のようにノルマンディーの海岸に出かけ、生涯に100点以上の海を主題にした作品を残します。本展覧会の最終章となる本章では、クールベが1865年以降に集中的に描いた海景画のうち、本展覧会のために集められた11点を一堂に展観します。

関連イベント

記念講演会「19世紀のフランス人と海」
クールベが生きた19世紀フランス。当時のフランス人はどのように海を感じ、海を語ったのでしょうか。当時フランスで出版された文学作品も紹介しながら当時のフランス人と海の関係性について探ります。
2021年4月24日(土)、午後2時~午後3時30分
講師:小倉孝誠氏(慶應義塾大学教授)
定員:50名(要予約)
会場:パナソニック東京汐留ビル 5階ホール

オンラインギャラリートーク「展覧会のツボ」
配信予定日
 ● 4月27日(火)午後12時30分~
 ● 5月6日(木)午後7時~
 ● 5月9日(日)午後2時~
ご自宅のパソコンやスマートフォンからご視聴いただけます。
詳細はパナソニック汐留美術館公式ホームページにてご確認ください。

主催・協賛・後援

主催:パナソニック汐留美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
協賛:ライオン、DNP大日本印刷、損保ジャパン
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、港区教育委員会
協力:日本航空、船の科学館「海の学び ミュージアムサポート」

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