開催時間 |
9時00分 - 17時00分
入館は16時30分まで |
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休み |
月曜日
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入場料 |
有料 一般1 000円(840 円 )、 大学生: 500円(420円) ※( )内は 20 名以上の団体料金 、 前売料金 、 県内宿泊者割引料金 ※高校生以下の児童・ 生徒は無料 高校生は生徒手帳持参 ※県内65 歳以上の方は無料 健康保険証等持参 ※障害者手帳をご持参の方、およびその介護をされる方は 無料 |
作品の販売有無 |
展示のみ
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この情報のお問合せ |
山梨県立美術館
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒400-0065 山梨県
甲府市貢川1-4-27 |
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最寄り駅 | 甲府 |
電話番号 | 055-228-3322 |
イギリスのロンドン郊外にあるキューガーデンは、ユネスコ世界遺産にもなっている世界最大級の植物園です。本展ではキューガーデンのコレクションを中心に、美しい花々を描いた約100点のボタニカルアートを展示します。
キューガーデンの歴史は18世紀に始まります。当時の大英帝国は貿易と植民地獲得によって繁栄を迎え、啓蒙思想の広がりや科学技術の向上を背景として、近代植物学が飛躍的に発展しました。そして世界各地の植物を調査するための研究センターとしてキューガーデンが大きな役割を果たすようになり、多くのボタニカルアートが生まれました。ボタニカルアートとは、植物を科学的な視点から描いたもので、植物研究とともに長い歴史を培うなかでその芸術性を見出され、人々に親しまれるようになりました。
本展では18世紀から19世紀初頭に描かれたボタニカルアートを展示するほか、国王ジョージ3世の妃であり、この時代のキューガーデンの発展に寄与したシャーロット王妃(1744~1818)にスポットを当て、彼女が愛したウェッジウッドの「クイーンズウェア」を展示します。さらに、当時の建築や装飾における主流のデザインであったジョージアン様式の部屋を部分的に再現し、ボタニカルアートを愛した人々の暮らしぶりを紹介します。西洋において世界に対する視野が急激に拡張し、各分野で大転換が起こった時代に、先端性の一翼を担うとともに人々の暮らしを華やかに彩ったボタニカルアートの世界をぜひお楽しみください。
第1章 英国 王室と共に歩んだ植物画
キューガーデンの歴史は、1759年に国王ジョージ3世の母であるオーガスタ皇太子妃が庭園をひらいたことから始まりました。そしてジョージ3世とシャーロット王妃の時代には、植物学者であるジョセフ・バンクスを植物園の監督者として登用し、植物園の拡張を行います。バンクスは世界各地の珍しい植物を収集し、それらを記録するために優れた植物画家たちを起用しました。
本章では、科学的な正確さと芸術性をあわせもつ作風を生み出し、その後のボタニカルアートの方向性を決したゲオルク・ディオニシウス・エーレット(1708~70)や、バンクスの後ろだてを得て1790年にキューガーデンの初代専属画家となり、シャーロット王妃の絵画教師も務めたフランツ・バウアー(1758~1840)が描いたボタニカルアートを紹介します。また、イギリスの国花であるバラを描いた作品や、植物図譜『フローラの神殿』をあわせて展示します。
第2章 シャーロット 王妃がつないだ文化の 開花
17世紀から18世紀のヨーロッパは「啓蒙時代」や「理性の時代」と呼ばれ、教会や王室が主導した旧来の社会秩序や考え方から脱して、人間の理性によって様々な問題を解決しようとする思想が広まりました。
イギリスにおいても啓蒙思想を背景として、科学、医学、経済学、商業、工学、哲学、そして植物学などが隆盛し、他国に先駆けて産業革命が起こりました。製陶業者ジョサイア・ウェッジウッド、チャールズ・ダーウィンの祖父エラズマス・ダーウィン、蒸気機関を改良したジェームズ・ワットなどさまざまな分野で活躍するメンバーが参加した「ルナー・ソサエティ」は、科学技術や産業に関する重要な成果を生んだ、まさに啓蒙時代を象徴するグループでした。
王室も産業振興や科学の発展を後押ししました。国王ジョージ3世の妃シャーロットは芸術と科学に造詣が深く、キューガーデンの拡張に貢献したほか、ウェッジウッドが開発した陶器に「クイーンズウェア」の称号を与えるなど自国の産業を支えました。
第3章 英国を魅了した東洋の植物画 カンパニー・スクール
東洋との貿易を行うために1600年に設立されたイギリス東インド会社は、やがてインドの植民地化を推し進めました。そして18世紀後半になると植物学者をインドへ派遣し、医療や貿易に役立つ植物を調査するようになりました。現地の植物園の管理などを任された植物学者たちは、インド人の画家を起用して植物を描かせました。イギリス本国に送られた植物画は、1858年に東インド会社が解散すると、その多くがキューガーデンに移管されました。
このように、18世紀後半から19世紀にかけてのインド、中国、東南アジアなど東インド会社が影響力を持った地域でイギリス人のために絵画制作を行った画家たちを「カンパニー・スクール」と呼ぶことがあります。カンパニーとはイギリス東インド会社のことをさします。カンパニー・スクールの作品は、その地域の伝統的な絵画と西洋絵画の技法を融合させた表現を特徴としています。
本章では、インドと中国のカンパニー・スクールによるボタニカルアートを紹介します。
第4章 『 カーティス・ボタニカル・マガジン 』
『カーティス・ボタニカル・マガジン』は、植物学者ウィリアム・カーティス(1746~1799)が1787年に創刊し、現在も刊行され続けているキューガーデン発行の植物雑誌です。創刊当時のイギリスでは、土地を所有する富裕層や上昇志向の強い中産階級の間で園芸が流行し、本誌は幅広い層の読者から人気を集めました。
カーティスは本誌に掲載する植物画の制作をジェームズ・サワビー(1757~1822)、シデナム・エドワーズ(1768~1819)らに依頼しました。サワビーは博物学者でもあり、植物だけでなく動物や鉱物などの博物図譜も手がけました。エドワーズはカーティスに才能を見出された画家で、本誌のために1700点もの図版を制作しています。彼らが描いた科学的に正確でかつ美しいボタニカルアートが『カーティス・ボタニカル・マガジン』の成功を支えました。
第5章 女性画家たち
植物学や水彩画を学ぶことは、18世紀イギリスの女性たちの教養のひとつとみなされていました。裕福な家庭では、植物図譜や教本などの出版物を用いて女性の家庭教師から植物学を学んだり、絵画教師を雇って植物を題材にした水彩画を描いたりしました。このような習慣が広まったことで女性が植物画家として活躍するという選択肢が生まれ、女性の優れた植物画家が輩出することになりました。
当時はイギリスにおいて女性による人権運動が始まり、女性知識人たちが文芸や時事問題について議論をするようになるなど、社会の変化が起こった時期でもあります。女性の教育とボタニカルアートの関係は、こうした流れを後押しするものであったと考えられます。
シャーロット王妃とその娘たちも、キューガーデン内にあるキューパレスなどでボタニカルアートを描きました。本章では、シャーロット王妃の娘が描いた作品をはじめ、王妃の絵画教師を務めたマーガレット・ミーン(1755頃~1824)やサラ・アン・ドレイク(1803~1857)など女性画家の作品を紹介します。
■記念講演会
植物学者の大場秀章氏が植物とボタニカルアートについて講演を行います。
講師:大場秀章氏(東京大学名誉教授)
日時:2月27日(土) 午後1:30~3:00
場所:講堂
※申込不要、聴講無料、定員40名(予定)
■こども美術館 「発見!観察!植物の面白さ美しさをみつけよう」
芸術の森公園の植物を観察したりお話を聞いたりします。食べられる植物、役に立つ草花がみつかるかな。展示室のボタニカルアートの見方も変わるかも・・・。
講師:戸沢一宏氏(山梨県森林総合研究所研究管理幹)
日時:2月21日(日)①午前10:00~11:30 ②午後1:30~3:00
対象:小学生以上(小学1~3年生は保護者同伴)、各回10名程度
場所:ワークショップ室
申込方法:Faxまたは電話で次の情報をお伝えください。①参加希望時間②全員の氏名(付き添いの方も含む)③年齢(学年)④電話番号(Fax番号)
申込期間:
1月26日(火)~定員になり次第締切
申込先:山梨県立美術館「こども美術館」係
Tel055-228-3322 Fax055-228-3324
■大人のための美術講座
本展のみどころについて担当学芸員がスライドトークを行います。
日時:3月13日(土) 午前11:00~12:00
場所:講堂
※申込不要、聴講無料、定員40名(予定)
■ミュージアム・シアター「秘密の花園」
バーネットの児童文学を映画化。伯父の屋敷に引き取られた少女メアリーが閉ざされたままの庭園を発見し、物語が動き出す。
(監督:アグニェシュカ・ホランド、1993年、アメリカ、音声:英語/字幕:日本語)
日時:2月20日(土)午後1:30~ (102分)
場所:講堂
※鑑賞無料、要事前申込。申込方法は決まり次第お知らせします。
※各イベントは変更・中止の可能性があります。
申込方法等の詳細はHPをご確認ください。
■記念コンサート
モーツァルトがシャーロット王妃に献呈した「ロンドン・ソナタ」を中心に演奏します。
日時:2月21日(日) 午後2:00~ (約40分)
演奏:澤田優子(フルート)、野神佐和子(ピアノ)、田中愛子(ヴァイオリン)
主催:山梨県立美術館、テレビ 山梨
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