開催時間 |
10時00分 - 18時00分
土曜日、特別開館日は17時00分まで |
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休み |
日曜日
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入場料 |
無料 |
作品の販売有無 |
展示のみ
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この情報のお問合せ |
武蔵野美術大学 美術館・図書館
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒187-8505 東京都
小平市小川町1-736 |
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最寄り駅 | 鷹の台 |
電話番号 | 042-342-6003 |
武蔵野美術大学 美術館・図書館では展覧会「脇谷徹──素描ということ」を開催します。
彫刻家・脇谷徹(本学共通彫塑研究室教授)の最初期の作品から最新作に至るまで、各時代の彫刻作品約50点と、素描・絵画を中心とした平面作品約150点を紹介します。
200点以上の作品を一望することで、脇谷が制作においてただひたむきに目の前にある対象物と向き合い、視覚的特徴や質感・立体的なヴォリュームをつかみ、実在性を浮かび上がらせようとしてきたさまが見えてきます。ありのままの「かたち」をつかむ行為全般を「素描」と捉える脇谷は、平面作品も立体作品も同じ「素描」の発露だとしています。
装飾を取り払い、必要最低限の描線で空間の中あるいは紙の上に「素描」された「かたち」を目の当たりにすると、普段私たちがいかに印象や概念に影響されて事物を認識しているかに改めて気付かされます。
本展を通して脇谷徹の真っ直ぐで力強い作品世界と、造形における「素描」という表現の本質にふれていただければ幸いです。
本展は、2つの空間で脇谷の作品を紹介します。彫刻作品が一斉に並ぶ最初の空間は、油絵具を一筆ずつキャンバスに載せていくのと同じように鉄の板を溶接して重ねていった《金属素描Ⅰ》といった20代の頃の作品から始まります。油絵を学んだ脇谷ならではの作品ですが、すでに関心が対象の「かたち」をどう捉えるかに向けられていることが見て取れます。続く《箱》や《扉》のシリーズでは、中の空洞や奥の空間など、直接は見えなくても確かに存在する空間を「かたち」に落とし込むことに挑んでいます。
これらの彫刻は、脇谷のライフワークである人物の彫像の発展の軌跡とも呼応しています。いくつもの頭像を作る中で、脇谷は人の顔が持つ吸引力を改めて実感し、人体のありのままの「かたち」を見ることの難しさに気付きます。そこで《TÔGAI》では、モデルとなった自身の息子の顔をあえて省略し、中が空洞である頭蓋の構造も容赦せずに描き出して、愚直なまでに目の前の「かたち」と対話しています。
今回展示する新作《扉を開ける》は、こうした試みをさらに一歩進めた作品です。人物が背を向けて扉の向こう側へ入っていく瞬間を捉えたこの作品では、この人物の顔や表情を読み取ることができません。しかし、それゆえに人体のフォルムが前面に押し出され、素の「かたち」を描き出す「素描」としての新たな展開が認められます。
会場のもう一方の空間には、素描や絵画など脇谷の平面作品が並びます。ここでは、「かたち」を捉える試みが線描によってなされています。平面・立体の区別なく「素描」の本質に迫ろうとする脇谷の姿勢から、見るとはどういうことか、改めて向き合うことができる展覧会です。
※本展は脇谷徹教授の退任記念展として開催します。
脇谷 徹(わきや・とおる):
1950 年 香川県生まれ、武蔵野美術大学大学院造形研究科油絵専攻修了。1975 年に本学共通彫塑研究室助手となり、保田春彦教授・若林奮助教授の下で研鑽に励む。1977 年から「新制作協会展」(東京都美術館)で新作を発表し続け、1984 年の第48 回と1985 年の第49 回で新作家賞受賞。1990 年から1年間、本学国際芸術都市田中記念アトリエ派遣研究員としてパリに滞在したのち、1991 年から本学共通彫塑研究室の助教授、1998年からは教授として多くの学生の指導にあたる。その一方で精力的に作家活動も続け、2008 年の「阪神甲子園球場リニューアル記念レリーフ」などを制作。
主催:武蔵野美術大学 美術館・図書館