名作のつくりかた 横山大観、菱田春草、中村彝……

横山大観「流燈」 明治42(1909)年 絹本彩色 ※8月16日(日)まで展示

横山大観「流燈」 明治42(1909)年 絹本彩色 ※8月16日(日)まで展示

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    会 期
    20200711日 -  20200922
    開催時間
    9時30分 - 17時00分
    最終入場時間 16時30分
    休み
    月曜日
    ※ただし、8月10日(月・祝)、9月21日(月・祝)は開館。8月11日(火)は休館
    入場料
    有料
    一般730円(610円)、満70歳以上360円(300円)、高大生490円(370円)、小中生240円(180円)
    ※( )内は20 名以上の団体料金 ※夏休み期間を除く土曜日は高校生以下無料 ※障害者手帳・指定難病特定医療費受給者証等をご持参の方は無料 ※9月15日(火)~21日(月・祝)は満70才以上の方は入場無料
    展覧会の撮影
    不可
    作品の販売有無
    展示のみ
    この情報のお問合せ
    茨城県近代美術館
    情報提供者/投稿者
    開催場所
    茨城県近代美術館
    住所
    〒310-0851 茨城県
    水戸市千波町東久保666-1
    最寄り駅
    水戸
    電話番号
    029-243-5111

    詳細

    展覧会内容

    名作はいかにして名作になったのか――。

    本展では、横山大観や菱田春草、中村彝(つね)など、当館の中でも特に人気の高い所蔵作品を中心に、素材や技法、構図などに着目し、作家が作品をどのように構想して完成へと導いたのか、制作の裏側を探ります。

    中村彝(1887-1924)や中西利雄(1900-1948)、浦田正夫(1910-1997)などの作品については、完成作とスケッチや下絵を比較することで、あるいは作品に描かれたモチーフに注目して画家が遺した家具などと比較することで、作家の意図を読み解きます。

    さらには、中村義孝(1954年生まれ)や間島秀徳(1960年生まれ)など、素材の特性を見つめ直し現在、独自の表現を試みている作家の制作方法については、作品とあわせて写真や映像によりくわしく紹介します。

    そのほか、横山大観(1868-1958)《流燈》や菱田春草(1874-1911)《落葉》など当館を代表する所蔵作品の見所をくわしくご紹介することで名作に親しんでいただく機会といたします。

    [見どころ]
    (1)工程が肝要な日本画の“つくりかた”

    天然に産する鉱物や岩石からつくられる天然岩絵具、あるいは人造の岩絵具などを膠(にかわ)で溶いて描く日本画は、複数の色を塗り重ねることで複雑な色相が得られるという特質があり、その特質を活かすためにも、どのように色を重ねるかといった制作工程を見極めることが重要となります。また、下の色を十分に乾かした上で塗り重ねる必要があることから一日の作業量が限定されるなど、様々な制約の中で画家は制作を進めていきます。
    当館では、日本画家の浦田正夫が残した膨大な下絵や制作の手控えを所蔵していることから、これら資料類を読み解き、完成作とあわせて展示することで、日本画の“つくりかた”をご紹介するとともに、浦田の作品の魅力に迫ります。

    (2)構図への苦心がうかがえる中村彝《静物》

    大正期に活躍した洋画家の中村彝(つね)は若くして肺結核に冒されて、特に晩年は外出もままならず、作品の多くは自身のアトリエで生み出されました。中でも数多く描いたのが静物画であり、作品には彝が実際に使用していた椅子やテーブルなどが登場します。
    当館の所蔵作品《静物》(大正8年)は、一見すると画面中央を縦に貫く木製の棒のようなものが異様にも思えますが、当館に寄贈された彝の遺品の一つ、木製のテーブルの一部であることを知ると合点がいきます。また、その構図は、フランスの画家ポール・セザンヌ(1839-1906)の作品《テーブルの上に牛乳瓶と果実のある静物》(1890年頃、オスロ国立美術館蔵)にきわめて近似しており、影響のほどがうかがえます。様々な資料をひもとくことで作家の構図への苦心がうかがえる一点です。

    (3)水彩画の革新者・中西利雄

    中西利雄は、生涯を通して水彩画に情熱を傾け、従来の透明画法に加えて不透明画法を併用し、鮮やかな色彩とモダンなフォルムによる自らのスタイルを確立しました。当館が所蔵する《彫刻と女》は、具象彫刻が並ぶ展覧会場を背景に、黄と黒の鮮やかな着物を身に着けた女性が画面の真ん中に大きく描かれ、展覧会場での何気ない一瞬を捉えたかのように思えます。
    しかし、この作品の下絵を見ると、鑑賞する女性は二人連れで、背景の彫刻作品と同等のサイズで描かれており、完成作とは大きく印象を異にしています。両者を見比べることで、モダンな女性を画面の中心に据えた力強い作品へと昇華させた画家の手腕をうかがうことができます。

    (4)素材や技法と向き合った現代の作品

    現代において、作家は日本画や洋画といった領域作家は日本画や洋画といった領域、それが規定するところの素材や技法素材や技法に縛られることなく、独自の独自の手法により作品を制作しています。
    中村義孝(1954-)は、戦後のイタリア彫刻にインスピレーションを受け、同地で蠟型鋳造法を学び、蠟の柔軟性を活かした作品づくりを行っています。また、間島秀徳(1960-)は、水を大量に撒いた画面の上からアクリル絵具や砂を垂らすという手法により、水が描き出す複雑な波紋や水が削り出した形象といった自然界を想起させる独自の画風へと至っています。これら現代の作家の制作過程を紹介する写真や映像資料を作品と共に展示します。

    (5)名作は、なぜ名作なのか。

    横山大観《流燈》(明治42/1909年)や菱田春草《落葉》(明治42/1909年)は、作品を所蔵する当館をはじめ、美術館施設での展示、あるいは印刷物や映像等により紹介される機会の多い、日本近代美術史上のいわば人気作品です。
    その理由の一つとしては、何よりも作品自体が魅力的であることが挙げられます。どのような作品でも作品が発表された当初から賛否両論あるのが当然としても、現在に至るまで「これは名作だ!」と考える多くの人々に支持され、人々の目に触れる機会も自然と多くなってきました。そして横山大観や菱田春草といった人物の画家としての重要性、両作品が大観や春草の作品の中でも代表作と言えることなどが美術史的にも理論づけられ,その価値が共有されてきました。
    しかしながら「名作」という言葉を使うとき,何らかの厳密な規定があるわけではありません。「これは名作だ!」とする一人一人の感性が多くの共感を得ることで「名作」となっていったとも言えます。それゆえ、多くの作品の中から自らが考える「名作」を選び、「名作」と感じるところの由縁を考えてみることが、より充実した作品鑑賞へとつながるのではないでしょうか。

    主催・協賛・後援

    主催:茨城県近代美術館
    後援:水戸市/朝日新聞水戸総局/茨城新聞社/NHK水戸放送局/産経新聞水戸支局/東京新聞水戸支局/日本経済新聞社水戸支局/毎日新聞水戸支局/読売新聞水戸支局

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