Glenn Ligon グレン・ライゴン展「In A Year With a Black Moon」

Glenn Ligon Untitled 2019 Courtesy of the artist and Rat Hole Gallery

Glenn Ligon Untitled 2019 Courtesy of the artist and Rat Hole Gallery

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    会 期
    20191220日 -  20200314
    開催時間
    11時00分 - 19時00分
    休み
    日・月
    入場料
    無料
    作品の販売有無
    販売有
    この情報のお問合せ
    Rat Hole Gallery
    情報提供者/投稿者
    開催場所
    RAT HOLE GALLERY
    住所
    〒107-0062 東京都
    港区南青山5-5-3 B1
    最寄り駅
    表参道
    電話番号
    03-6419-3581

    詳細

    参加クリエイター

    展覧会内容

    まず月の、私たちのほうを向いている表面について述べることにしましょう(…)私は月の表面をそれぞれ、明るい部分と暗い部分の二つに分けています。明るい部分は、半球全体を覆い満たしているように見えます。一方で暗い部分は、どこか雲のようでもあり、月の表面を暗くさせ、斑点が散りばめられているように見えます(…)これらの斑点は、私以前には誰も観察したことがなかったものです。そして私は観察を繰り返すなかで(…)月の表面は、起伏がなく滑らかでもなければ、完全な球形でもないことが(…)それどころか、平らではなく、起伏に満ち、凹凸が広がっていることは確かなのだと感じました。ちょうど地球自体の表面がそうであるように。
    ――ガリレオ・ガリレイ『星界の報告』ヴェネツィア、1610 年

    ラットホールギャラリーでは2019年12月20日より2020年3月14日まで、グレン・ライゴンの個展を開催いたします。当ギャラリーで2回目の個展となる本展では、日本で制作された新作の立体作品のほか、新作のドローイングや2011-12 年のレトロスペクティヴ展「Glenn Ligon: America」(ホイットニー美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館、フォートワース現代美術館)以来の発表となる《Self Portrait》を展示いたします。

    本展のためにライゴンは、李朝白磁のひとつ、「月壺」に想を得た立体作品を制作しています。日本では「提灯壺」とも呼ばれる月壺は、李朝時代(1392-1910 年)の韓国でつくられた伝統的な白磁で、その名は満月を思わせる形状と乳白色の釉薬に由来します。日本在住の韓国人陶芸家との協働のもと、白色の粘土を漆黒へと変化させ、ライゴンは黒い月壺をつくり上げています。2 つの半球を中央部で接合してつくられた壺はどれもやや不揃いで、自然に生み出された形状をしています。こうした形状は、李朝時代の美的感覚として高く評価されるような、ナチュラリズムや自然発生性、そして峻厳な仕上げを超えた「破形の美」をもたらしています。民藝運動の創始者、柳宗悦は李朝の器に見られる自由さについて、日本の器と比較して次のように述べています。「前者には無碍な心が生む必然な形の崩れを見るが、後者には完全を否定しようとして生れた造作が見える」。独特の黒い色彩と質感のスペクトルを通じ、月壺の形式的・概念的可能性を探究することで、彼の作品は伝統的な陶磁器の境界を拡張しています。ライゴンにとってこの作品は、美のオブジェクトかつ文化的・社会的批評の担い手としての黒い器(black vessels)を生み出すことへの欲求から導き出されています。

    これらの立体作品と同時に本展では、新作のドローイング《Study for Negro Sunshine(red)》が発表されます。このドローイングは、ガートルード・スタインの1909年の小説『三人の女(Three Lives)』から引用されたフレーズ「negro sunshine」が、オイルスティックを用いて繰り返し描き込まれています。10 年以上にわたって継続されているこのシリーズは、2013 年の当ギャラリーの個展でも展示されていますが、本展では背景に白ではなく、鮮やかな赤が用いられています。

    《Self Portrait》(2002 年)は、ジェイムズ・ボールドウィンのエッセイ「村のよそ者(Stranger in the Village)」から引用したフレーズを、黒のオイルスティックでステンシルを用いて塗り重ねられています。カンヴァス上の文字は過剰に重ね塗りされることで厚みを増し、滲みが生じ判読しづらくなっています。この作品は、いったんは失敗作として作家がカンヴァスを擦り落とし始めたものの、表面に見える多様な傷や文字の跡に惹きつけられるようにして再び制作されたものです。本展の他の作品と暗示的な関係を結び、引用や協働、そして文化的対話といったものの本質を省みるよう促しています。

    ライゴンの作品は、言語のもつ力や時代を超える意味の多様性、文化や歴史における自己やアイデンティティの変容に対する作家の関心と、それらに対する作家のアプローチ
    が渾然一体となって提示されています。

    ライゴン(1960 年、ニューヨーク生まれ)は現在、ニューヨークを拠点に活動。1980年代より、近代美術やコンセプチュアル・アートに依拠した作品を通じて、アメリカの歴史、文学、社会を鋭く探究しつづけています。ライゴンの作品は、「Des Parisiens Noirs」(オルセー美術館、2019 年)、「Glenn Ligon: America」(ホイットニー美術館、2011 年)などの個展のほか、ヴェネツィア・ビエンナーレ(1997、2015 年)やドクメンタ11(2002年)など数多くの国際展で展示されています。また、「Blue Black」(ピューリッツァー美術館、2017 年)や「Glenn Ligon: Encounters and Collisions」(テート・モダンほか、2015年)など、自身がキュレーションを務める展覧会も開催しています。

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