開催時間 |
13時00分 - 18時00分
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休み |
月・火(祝日は開場)、10月14日-18日は展示替えのため休廊
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この情報のお問合せ |
ARTS ISOZAKI
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒310-0011 茨城県
水戸市三の丸1-4-17 |
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最寄り駅 | 水戸 |
電話番号 | 070-2800-9585 |
茨城県水戸市の現代アートスペースARTS ISOZAKIでは、7月27日より土を素材とする作品を制作し、現代美術の中に新しい領域を切り拓いてきた伊藤公象の個展『土のひだ』を開催いたします。
伊藤公象は土を素材にした陶造形で知られる作家です。1932年に金沢の彫金家の長男として生まれ、十代の頃に陶芸家のもとに弟子入りしましたが、その後は伝統の世界から離れ、美術という概念を問い直すような新しい表現を追求してきました。ある時は土を凍らせ、ある時は乾燥による土の収縮や亀裂を創作に採り込むなど、自然現象を活かした独自の造形は早くから注目を集めました。1978年にはインド・トリエンナーレ、1984年にはヴェネチア・ビエンナーレに日本代表として参加するなど、その活躍の場は国内外に広がり、土の造形のパイオニアとして高い評価を得てきました。
伊藤の関心は、生命と死、有機と無機、現実と象徴の境界と、その間の緊張関係から生まれる美に長い間向けられてきました。伊藤がARTS ISOZAKIを展示場所として選んだのも、この場所が都市の開発と崩壊、光と影、内部と外部の境界に属しているからかもしれません。
この度の展覧会「土のひだ」では、伊藤が土の造形によって生み出してきた襞(ひだ)という概念の新しい展開が期待されます。1Fの会場では、これまで未発表だった紙と写真を使用した新作のインスタレーション、屋上ではブルーパールの陶を無数に配置したインスタレーションを発表します。
本展は、先端テクノロジーによって様々な境界が融解していくこれからの世界を考えるための多くの示唆をわたしたちに与えてくれるでしょう。
伊藤公象の新たな表現にどうぞご期待ください。
第1期:7月27日(土)-10月13日(日)
第2期:10月19日(土)-12月28日(土) (10月14日-18日は展示替えのため休廊)
《アーティスト・ステートメント》
展覧会によせて
平板な台に新聞紙状の薄紙を敷き、その上にスライスした柔らかな陶土を被せる。すぐに薄紙は陶土の水分を吸収し、陶土と密着する。陶土が乾燥によって収縮、薄紙とともに完全乾燥すると、両者は無理なく剥がれる。そして、スライスした陶土は乾燥したままの状態だが、下敷きにした薄紙には複雑な皺が現れる。陶土と薄紙による交接とも。
それを皺と言うより「ひだ(襞)」と言い表してきた。
平板な台は木材がいい。乾燥時に木の肌合いと濡れた紙の隙間に空気が流れ込むからだ。ガラス板では密着度が高く、襞が生じない。陶土の柔らかさとスライスの厚みや被せ方、乾燥時間の長短、何よりもここでは乾燥と収縮の自然な働きに手を貸すのだが、A4サイズの紙の襞を得るのに陶土は何千倍の量が必要になる。その襞紙の一枚、一枚は同相であってもそれぞれに差異がある。
今回の個展で1Fのインスタレーションには、そのひだ(襞)紙にさらに手を加え、有機的な造形物を集合させる仕組みにした。
また、屋上のブルーパールのインスタレーションは、街中のビルに囲まれ、季節や天候の変化によって独自な光景を見せる。ARTS ISOZAKIのスペースはそうした実験的な試みを充たせる場として活用できた。
伊藤公象
令和元年7月
■オープニング・レセプション
2019年7月27日(土)
時間:16:00-18:00
会場: ARTS ISOZAKI