開催時間 |
12時00分 - 19時00分
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休み |
日・月・祝
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入場料 |
無料 |
作品の販売有無 |
販売有
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この情報のお問合せ |
Gallery MoMo Projects
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒106-0032 東京都
港区六本木6-2-6 2F |
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最寄り駅 | 六本木 |
電話番号 | 03-3405-4339 |
この度、GALLERY MoMo Projects では7月21日(日)から8月3日(土)まで中矢篤志展「虹のミスト 灰色のカサブタ」を開催します。
中矢篤志は1977年愛知県名古屋市生まれ、2003年金沢美術工芸大学大学院を修了し、2005年にはTOKYO WONDER SITE 本郷にて個展を開催、その後私達のギャラリーでは08年に二人展及び両国でのオープニング展に参加、当ギャラリーでは4年振り3回目の個展となります。
初期の作品では支持体にスタイロフォームを使って厚みを持たせ、円形や矩形などの形にしてキャンバス地を張り、うさぎを擬人化したキャラクターを登場させるなど、可愛さとグロテスクな世界を色彩感豊かに同居させて表現し、時に物語性を漂わせた作品を制作して来ました。
しかし、多くのアーティストと同様3.11 の震災で大きな衝撃を受け、背景を黒で塗りつぶすことで濁流のイメージと重ね合わせつつも、子育ての中でモチーフは少女をイメージする作品へと変化させ、虹色の茫漠とした少女を描くことで子どもたちへ希望を託し、奮闘を続けて来ました。
闇の中でもがきながら、その色彩感は本来作家自身が持っていたものであり、霧の中から茫漠として浮かび上がるかのように少女を通して作品に蘇ってきています。技法も含めて希望へと転化しようとする意識が、今年の「FACE 展2019 損保ジャパン日本興亜美術賞展」に於ける読売新聞社賞へとつながったのでしょう。
今展では「画面をかきむしるように鉛筆を走らせ、紙を千切って画面に貼る」と語る、「灰色のカサブタ」と題された新たな作品も展示致します。酷暑の候2 週間という短い会期ですが、皆様のご高覧をお待ちしています。
アーティストコメント
「虹のミスト」
何かを手にした瞬間、何かを失う。うすうす気づいていたが実際に自分の身に起こり、そこに感情が絡んでくるとダメージが大きい。小石でもつまずいて転んでしまうし、起き上がるのにも時間がかかる。
目の前の靄が濃ければ濃いほど、踏み出す一歩に躊躇する。両手を前に出して何かを掴もうと探ってみるが、それすら白い闇に消えて見えない。見えない恐怖、それが白ければ白いほど恐ろしい。まだ目の前が暗闇の方が自分を落ち着かせることができるのではないだろうか。目の前の白い世界を乗り越えて進むために色を手にする。今まで目にした色を重ね重ねふきつける。そして目の前から色鮮やかな世界を創造する。
「灰色のカサブタ」
3 月6 日午前5時、目が覚めて鉛筆を握る。静けさが包み込む世界に、朝刊を運ぶバイクの音と鉛筆を走らせる音だけが聴こえる。
バイクは行ったり来たり、シャー、シャー、シャー・・・。鉛筆も行ったり来たり、シャー、シャー、シャー・・・とリズムを奏でる。
僕は絵をうまく描くことが出来ない、だから何かを直接描くのを辞めた。ただ何もない画面をかきむしるように鉛筆を走らせる。
意識を腕の上下左右運動と筆圧の強弱に集中する。余白を残さないように鉛筆で塗りつぶす。
僕は絵をうまく描くことが出来ない、だから紙を千切って画面に貼る。何もない画面を埋めるように貼る。画面が埋まってくると何かに見えてくる。人の顔や植物や動物、今まで見てきた何か。人の顔だと思って進めていると動物になったり、花が咲いたり画面の中で時間が進む。1歩進んで2歩下がる、時にはジャンプして3歩進む。たまに転んで一休み。
2019 年 中矢 篤志