開催時間 |
12時00分 - 19時00分
最終日17時00分まで |
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入場料 |
無料 |
作品の販売有無 |
販売有
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この情報のお問合せ |
s+arts
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒106-0032 東京都
港区六本木7-6-5 六本木栄ビル3F |
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最寄り駅 | 六本木 |
電話番号 | 03-3403-0103 |
長坂絵夢は、鉄を素材として扱い、平面から立体、インスタレーションなど様々な作品形態で制作をしています。生命において不可欠な物質であり、産業の基盤材料としてもなくてならない素材である鉄は、あらゆる形で身近に存在していると考えられます。人と素材、その根源にある密接な関わりについて、見つめなおす事を制作テーマとしている彼女にとって、向き合うべき素材が鉄であると言っても過言ではありません。「腐食する性質を持つ鉄はその重厚な姿とは別に、人の肌の様な生ものに触れる様なとても繊細で敏感な面を持つ。」と長坂は語ります。本展では、素材の内に入り込み物質に秘めたエネルギーと私たちの身体に内在するイメージを重ねた作品を発表いたします。
藤沢まゆは、筒描きという日本の染色における伝統工芸を用いて、淡い色調で布に絵を染め上げます。身の回りの小さな出来事を、植物や動物、自然を入り交えた空想の世界に入れ込み、独自の世界を作り上げ、それを現実世界と融合して表現します。我々の生活を取り巻く環境は、様々なことが絡み合い複雑に見えるけれど、本当に大切で見逃してはいけないものはとてもシンプルで簡単なことだということを、作品を通じて伝えようとしています。自身が納得するまで繊細な線を描けるように改良された筒描きからは、全ての事柄は繋がっていて、日々の些細なことでも当たり前なことではなく、幸せと感じられるようにと、彼女の想いが込められているような印象を覚えます。
牧田紗季は、現実の世界で生活することによって生じた心の澱(よどみ)を絵画に昇華させたいという思いから、重力から解放された夢の中のような浮遊感のある情景を、日本画材料を用いて描きます。誰もが持っているであろう漠然とした不安や孤独感、言いようのない悲しみや痛みは、心の奥底にしまい込まれ、澱となって蓄積していくと、牧田は考えます。夢の世界への憧れを作品に織り交ぜ、現実で生じた感情を形にすることは、ある種の現実逃避願望の現れかもしれません。しかしながら、同じく鑑賞者の持つ心の澱を少しでも軽くできるようにと願い制作された牧田の作品は、日本画の落ち着きのある色味と質感により、美しく、どこか希望を求めるように見受けられます。
作品制作を通じて伝えたい想いが異なる3人の作家と素材との関係もお楽しみいただける展示となりました。是非ご高覧くださいますようお願いいたします。
レセプションパーティー: 6月21日(金)18:00~20:00