束芋:Ghost Running

ghost-running 01-2 (2019) monotype,mixed media ©︎Tabaimo /  courtesy of KIDO Press and IMO studio

ghost-running 01-2 (2019) monotype,mixed media ©︎Tabaimo / courtesy of KIDO Press and IMO studio

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会 期
20190427日 -  20190526
開催時間
12時00分 - 19時00分
休み
月・火
入場料
無料
作品の販売有無
販売有
この情報のお問合せ
ギャラリーキドプレス/Gallery KIDO Press
情報提供者/投稿者
開催場所
ギャラリー キドプレス
住所
〒101-0021 東京都
千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 204号
最寄り駅
末広町
電話番号
03-5817-8988

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

版画用語で本刷りの後、残ったインクでもう一枚刷ることを「ゴーストをとる」というらしい。
その言葉は、見えない何かを捕まえるような、そんな幻想的な行為が小さな工房で行われていることを想像させてくれた。
本刷りでは見えなかったイメージをゴーストは見せてくれる。
ゴーストが与えてくれたイメージを、銅版で削り出す。
そのイメージとゴーストが重なった時、見えてなかった現象を可視化できたような気がした。
—束芋 2019

ギャラリー キドプレスでは、2019年4月27日(土)から6月2日(日)まで、現代美術家・束芋(たばいも)による新作版画展『束芋:Ghost Running』展を開催いたします。本展では、20種の版から生まれた49通りのモノタイプ作品の中から、約10点を厳選し展示いたします。制作は2019年1月上旬から展覧会が開催される間際まで精力的に続けられます。刷り上がったばかりの湧き上がるような覇気のこもった作品を是非ご体感ください。
今回の新作版画のプロジェクトは、モノタイプとエッチングの技法を併用した版を使った表現でありながら、同一の作品が複数生まれる“マルチプル”ではない、全て1点もののオリジナル作品であることが大きな特徴です。それは、幾度となく実験を繰り返しながら、版画を制作する過程で起こる一つの工程でしかなかった様々な版画的要素を、束芋の感受性のもと視覚的に浮き彫りにし、独自の表現まで高めていく作業であったと言えるでしょう。
特筆すべきは、エッチングの銅版を刷る際に、あえて山盛りにした多色のカラーインクをプレス機のローラーを使って引き伸ばし、あたかも版から多彩なインクが溢れ出ているかのように表していることです。1回目に刷ったときに、刷り取られず残ったインクで更に2回目を刷り、最大で3回目まで刷っていく。この一連のインクが徐々に削ぎ落とされていく過程によって、色の濃淡・形状・印象がそれぞれ固有な版画作品として出現します。ニードルを用いて手で銅版に描き込みながら自身のイメージに近づけていくという繊細な行為と同時に、ある程度の偶然性により大胆にイメージを作り上げるという対照的な作業は、束芋にとって、版画表現だからこその挑戦となりました。
また、プレスしたことにより形取られた銅版のイメージ部分を際立たせるように、ジェルメディウムを塗り、別に刷った雁皮紙を重ね、更にニカワを塗るといった作業もまた1点ずつ手作業で加えられました。インク乾燥後、最後に水貼りをするなど、繊細な作業が集積されています。制作を共にしたマスタープリンターは語ります。「このようなデリケートな手作業の結果が、たるみ一つなく水貼りされた緊張感を持った紙に、独特の厚みを持った艶やかなイメージ部分が形成されている。単純なマチェールという言葉では補いきれないほどの視覚的にさまざまな質感、それはある意味、視覚的な触覚すら感じることができる画面になっている。“実験的”でありスリリングな制作であった。」

全貌49点に及ぶ今作品を通して私たちは、版画の持つ複数性が束芋の手により新たな可能性を持つ表現領域になりうることを、改めて発見することができるのではないでしょうか。束芋の幻想的で優美な実験の世界を是非お楽しみください。本展を通し、現代版画における展望もご堪能いただけるはずです。

関連イベント

作家を囲んでのオープニングレセプション|2019年4月27日(土)18:00-20:00

主催・協賛・後援

協力:ギャラリー小柳

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