開催時間 |
11時00分 - 19時00分
土曜日18:00まで |
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休み |
日・祝
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入場料 |
無料 |
作品の販売有無 |
販売有
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この情報のお問合せ |
EMON PHOTO GALLERY
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒106-0047 東京都
港区南麻布5-11-12 togoBldg, togo Bldg. B1 |
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最寄り駅 | 広尾 |
電話番号 | 03-5793-5437 |
この春EMONでは、フォトコラージュアーティスト・Kiiroの2年ぶりの新作展を開催する運びとなりました。今回は造形作家・北林加奈子をゲストアーティストに迎え、両者の表現の核となる既視感を表す作品を展覧致します。
Kiiroは、2009年から一貫してコスモスの花をモチーフに写真表現の可能性を追求してきました。イメージを足しては引き、重ねては削る、そうしたkiiro独特のフォトコラージュは、年を追うごとに絵画的アプローチを深化させてきました。今展は2016年から取り組んでいる桜シリーズの第二弾となり、間や余白を意識した構図に日本画を思わせる変化が伺えます。前作で死生観を表したのに対し、今回は子供の頃の記憶、あるいはかつて見た桜の姿を、朝焼けの景色に重ねた作品15点が並びます。
そして造形作家・北林加奈子は、2018東京藝術大学大学院の彫刻専攻を修了し、昨年水戸芸術館で個展を開催するなど注目を集める新進のアーティスト。陶芸を主にさまざまな素材を重ね合わせ、しなやかな感性で独創的なオブジェをつくり出しています。それらは自然界にありそうでないもの、しかしかつて見たことがある事象を思い起こさせる既視感のある物へと形を変えて表されています。
淡いベージュから群青色まで、複雑な色彩を滲ませた二次元と三次元の作品群。これらは、すくおうとしても手の平からするすると流れ落ちてしまう水をのように儚いものに意識を向ける両者の眼差しであり、自然の至る所に封印された「詩」を見つけては可視化する作業かも知れません。
kiiro statement
私は長い間コスモスの花に着目して創作活動をしてきました。夏の終わりごろから群生をなして咲くこの花は、可憐でありながらどこか懐かしさを想い起こさせます。
複雑に差し交わす茎や蕾み。それはコスモスの原義である秩序・調和・美といった宇宙的な広がりを感じさせる一方で、限りある命の無常観をこの花に感じています。
コスモスの別名は秋桜。そして私は日本の象徴とも言える「桜」へと対象を広げていったことは必然だったかもしれません。隆起した桜の幹が天に昇る龍のように見えることもあれば、枝の狭間でこぼれるように咲く姿や散っていく様子は、静と動が瞬くような宇宙のように感じられます。
私は撮りためた写真を何層ものレイヤーに分解し、塗り重ねては削るといった絵画の技法を用います。無数の写真の「断片」を重ね、時間をトレースし、コスモスの、また桜の花が秘める美しさに私は接近しようと試みます。
しかしそれは、鑑賞者のイマジネーションが百人百通りのストーリーが生まれる能のように、言葉では表しきれないものでもあるのです。
北林加奈子 statement
日常の風景の中にふと、“何か”を見つけ理由もわからないうちに、美しさやおかしさを感じることがあります
それは、ほんとうに些細なことでいつもそこにあるのに、ふだんは気にもとめていないようなことかもしれません。そして、とても儚く気づいたとしても、放っておくと次の瞬間には忘れてしまうようなことかもしれません
それでも記憶のどこかにそれは引っかかっていて何かの拍子にふわっと、デジャヴのように頭のどこかに浮かび上がります
その“何か”を分析してみると
偶然見つけた自然の現象だったり、物理の法則だったり人の痕跡だったり、さまざまです
しかし、的確に説明するのはとても難しく言葉にした瞬間、泡のように消えてしまう時もあります
私はそういった、風景の中や視界の片隅に、儚いけれど確かにある光景を私なりの視点でとらえ、抽出し、質感や形、現象の関わり合いを利用して可視化したいと思います
そして、誰かの記憶の中の風景を、誘い出すことができないだろうかとたくらんでいます
レセプション2019.04.02tue 18:00-20:00
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