平塚良一 Ryoichi Hiratsuka

Ryoichi Hiratsuka “ sans titre 2019 s+ 51 “ 2019 墨、和紙、木製パネル 420×297mm
    タグ
    • 印刷する
    • add calendar
    会 期
    20190322日 -  20190331
    開催時間
    12時00分 - 19時00分
    最終日17時00分まで
    入場料
    無料
    作品の販売有無
    販売有
    この情報のお問合せ
    s+arts
    情報提供者/投稿者
    開催場所
    s+arts
    住所
    〒106-0032 東京都
    港区六本木7-6-5 六本木栄ビル3F
    最寄り駅
    六本木
    電話番号
    03-3403-0103

    詳細

    参加クリエイター

    展覧会内容

    平塚良一は、独自の視点で見出された素材を用い、「現実を考える姿勢」について長年追求している作家だと言えます。彼のアプローチ方法はとても抽象的ですが、そこに含まれる意思は哲学的で、本質とは何か?としきりに問いかけてくるようです。

    平塚の近年の作品といえば、パネルに落ち葉を接着し、その上に和紙を載せて輪郭や葉脈を黒く写し取るフロッタージュシリーズ、鮮やかな色彩を数ミリのずれに入れたフロッタージュに加えるシリーズ、規則的に小さなドットを配置したシリーズ、人型をした小さなフィギュアを配置した「開かれた孤独」シリーズ等、表現方法は多岐に渡り、平塚が常に新しい表現方法を探っていることが分かります。

    「平面的な支持体に色をノリで貼り付けることも、壁に漆喰をつけていくことも、フィギュアをつけていくことも絵画だ」と平塚は語ります。このような発想に至るのは、1970年代初頭に絵画に関する根本的な問題提起をおこなったことで知られているフランスの「シュポール/シュルファス」の理論を引き継いでいるからだと言えるでしょう。

    それまでは当然とされ問題にもされなかったような、絵画というジャンルを保証している社会的、制度的な側面について「シュポール/シュルファス」のメンバーは作家の立場から分析し、作品制作を試みました。そのために、絵画的なイメージを問題とするのではなく、絵画が現実空間の中での物体であることを顕在化しようとしたのです。当時フランスに留学していた平塚はこの運動を目の当たりにし、大きな影響を受けました。

    平塚の言葉を借りるならば、「絵画は現実を描く場合と幻想を描く場合がある」。平塚の場合は前者であり、作品制作を通じて現実と向き合い、手仕事の跡を強調する物体であるかのように平塚の作品は生まれてきます。しかしながら、平塚の作品に繊細で幻想的な感覚を覚えるのは、現実を根拠に進化させている過程で、そこに醸し出されてくる雰囲気、心情、情緒においても本質を判断しているからではないでしょうか。現実と幻想という対極するものが交わり、鑑賞者により意味が広がっていくのが平塚の作品の魅力です。

    本展では、墨を使用した新作を主に発表いたします。同じ表現手法を用いながらもコントロールが難しい墨を使用することによって現れる予想外な表面を、何故か懐かしいと平塚は言います。自然現象なのか、記憶の中に残された風景なのか、そこへ様々な方法で手を加えることにより、自身が存在している証を残して行くのです。様々な素材を扱う技術に長けている平塚が、偶発的に発生する自然の不思議に対し、作品制作を通じて模索いたします。平塚のアトリエの片隅で彼の制作風景を何年も見守ってきたであろう過去作品も一部出品予定です。これを機に是非ご高覧ください。

    平均:0.0 
    レビューした人:0 人

    近くの展覧会

    人気の展覧会

    <<        >>

    クリップした展覧会はありません。