106歳を生きる 篠田桃紅 -とどめ得ぬもの 墨のいろ 心のかたち-
会期: 2019-04-13 - 2019-06-30
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
抽象
書
平面
開催内容
この春106歳を迎えた篠田桃紅。水墨抽象画という独自のスタイルを確立し、100歳を超えてなお、新たな表現に挑戦し続けています。
高梁市成羽美術館では、「自らに由って独立独歩で作品を作り、自由に生きてきました」と語る桃紅の足跡を辿る展覧会を開催します。
桃紅は1956年に渡米し、世界の最先端アートシーンを体感。伝統と革新をその身に刻み込んだ不世出の芸術家です。移ろいゆくものに心を寄せ、真の美を探求し続ける桃紅の「墨いろ」は、自然の幽玄さと宇宙の無限の広がりを感じさせ、現代を生きる桃紅によって見出された日本の普遍的な美のかたちは、一筋の線となってリズムを奏でます。
本展では、書道という枠の中で発展した初期の作品から、文字を離れ、墨の色や線を追求する独自の抽象表現を確立したニューヨークでの挑戦、日本の古典をベースに昇華された繊細で優美な表現、そして余分なものをすべて削ぎ落とし、一瞬の心のかたちを追求し続ける現在までの変遷を約80点の作品で体系的に展観します。
篠田桃紅(しのだ・とうこう)
1913年、中国大連に生まれる。5歳の時、父の手ほどきで初めて墨と筆に触れ、以後独学で書を極める。第二次世界大戦後、文字を解体し、墨で抽象を描き始める。渡米後、ニューヨークを拠点にボストン、シカゴ、パリ、シンシナティ他で個展を開催。58年に帰国した後は、壁画や壁書、レリーフといった建築に関わる仕事や、東京芝 増上寺大本堂の襖絵などの大作の一方で、リトグラフや装丁、題字、随筆を手掛けるなど、活動は多岐にわたっている。2005年、ニューズウィーク(日本版)の「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれる。主な著書に『桃紅百年』(世界文化社)『墨いろ』(PHP研究所)など。