2019年度 コレクション展Ⅰ 特集「境界のむこう」
会期: 2019-03-16 - 2019-06-23
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
アニメ
写真
絵画
現代アート
開催内容
2019 年度コレクション展の第Ⅰ期では、「境界」をテーマとして展覧会を開催します。
私たちの身の周りには、大小さまざまな境界が存在するようです。個々の境界は、緩やかに変化し、移動し、新しく生まれて消えることもあるのではないでしょうか。しかし、境界というものが無くなることはありません。事物を区分する境界は、乗り越えることがときに困難であり、ときに不可能なこともあるでしょう。一方で、境界の存在ゆえに守られているものもあれば、さらに、境界による線引きがあるからこそ、つながりを再認識し、相互の濃密な結びつきが生まれる可能性があるのかもしれません。
同展では、当館コレクションの名品を「境界」にかかわる6つのテーマに沿って展示します。多様なジャンル・時代の作品が、自分がいる境界のこちら側と、むこうにある世界を見つめるためのきっかけとなれば幸いです。
(前期展示:3月16日(土)~ 5月6日(月・休) 後期展示:5月8日(水)~ 6月23日(日))
[展示構成]
第1 章 領域
境界は、さまざまな領域をつくります。国という大きな場所はもちろんのこと、もっと狭い地域や部屋、そして、物理的な場所のみならず、心理的なテリトリーまで、それぞれの領域は、境界によって定義され、ときには、守られていることもあるでしょう。まず、はじめの章では、領域というものが描かれた作品をご紹介します。
第2 章 線をひく
作家は、キャンバスや紙の上にさまざまな線をひいて絵を描きます。キャンバスにひかれた1本の線は、境界のように画面を分割することもあるでしょう。本章では、線によって区切られ、構成された作品を展示します。
第3 章 東/西
作家たちは表現を通して、さまざまな境界を越えていきます。明治維新以降に洋画を志した日本人画家たちは、西洋の技法や主題を学びました。そして、現在活躍する作家もまた、東洋的な要素と西洋的なものを融合させた表現を展開しています。
第4 章 生/死
生と死の間には、絶対的な境界線が存在しています。家族や親しい友人を失うという耐え難い体験から制作へと向かう作家もいます。そして、生の輝きや巡る生と死を
表現することで鎮魂の祈りが込められた作品をご紹介します。
第5 章 他者/自己
ときには絶望的に思えるほどの他者との違いを埋めることはできるのでしょうか。自己と他者の姿に改めて出会い見つめ直す、その端緒となる作品を展示します。人との差異を発見することで、自身の姿が見えてくることがあるのではないでしょうか。
第6 章 現実/非現実
意識と無意識の狭間で、夢か現実かわからない世界を描いたシュルレアリスムの作家たちをはじめ、自然の描写の中に現れた不思議な光景など、境界線の曖昧な世界が描かれた作品をご紹介します。