伊庭靖子展 まなざしのあわい
会期: 2019-07-20 - 2019-10-09
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
開催内容
画家の眼とモティーフのあわいにある世界に魅せられた伊庭靖子(1967-)は、触れたくなるようなモティーフの質感やそれがまとう光を描くことで、その景色を表現し続けてきました。自ら撮影した写真をもとに制作するスタイルは変わりませんが、近年、それまで接近していたモティーフとの距離が少しずつ広がってきました。空間や風景への関心が高まり、まわりの風景が広がることで、伊庭の絵画は新たな展開を見せています。
東京都美術館で撮影した写真をもとにした絵画をはじめ、版画、さらに新たな試みとして映像作品を発表する予定です。伊庭の個展は、2009年の「伊庭靖子──まばゆさの在処──」(神奈川県立近代美術館)以来、美術館では10年ぶりの開催となります。本展覧会では、近作・新作を中心に紹介しながら、そこに至る以前の作品も併せて展示することで、この10年の変化とともに伊庭靖子の変わらない関心の核に迫ります。
[みどころ]
新作を中心とした個展
本展の開催が決まった2016年春から、伊庭は3年余の時間をかけて準備を行い、本展では、絵画、版画、映像の新作を中心に展示します。伊庭の絵画は、一貫して自ら撮影した写真をもとに制作されます。本展には東京都美術館で撮影した写真から描いた絵画も出品します。前川國男が設計した建築に漂う光が、伊庭のレンズと手を通して生まれ変わります。
映像作品に初挑戦!
大学で版画を専攻した後、しだいに絵画に軸足を移し、制作活動を続けてきた伊庭ですが、今回初めて映像作品を発表します。立体視を用いた作品となる予定で、光に満ちた静謐な空間を描く絵画とはかけ離れたように見えるかもしれません。ただ、人の眼と見る対象との間にあるさまざまなもの──光、大気、雰囲気など──への関心は通底します。伊庭の芸術観を垣間見せる作品になることでしょう。
10年ぶりとなる美術館での個展(東京の美術館では初めての個展!)
国内外の主要美術館に収蔵されている伊庭の作品ですが、多くのコレクターにも愛され個人の邸宅で大切にされてきた作品も少なくありません。今回は、多くの所蔵者にご協力いただき、新作・近作につながる2004年からの作品を展示します。なかなか見ることができないコレクターのお気に入りの作品群をぜひ美術館でご鑑賞ください。