interaction vol.4|大久保如彌・大坂秩加・小野さおり・重田美月・丸山恭世

  • 印刷する
  • add calendar
会 期
20190216日 -  20190316
開催時間
11時00分 - 19時00分
休み
入場料
無料
作品の販売有無
販売有
この情報のお問合せ
Gallery MoMo Ryogoku
情報提供者/投稿者
開催場所
GALLERY MoMo Ryogoku
住所
〒130-0014 東京都
墨田区亀沢1-7-15
最寄り駅
両国
電話番号
03-3621-6813

詳細

展覧会内容

 GALLERY MoMo Ryogoku では2 月16 日(土)~ 3 月16 日(土)まで、所属作家によるグループ展「interaction vol.4」を開催いたします。
 「相互作用」という意味で私たちの複数の作家による展示も4回目を迎え、同一場所と同一空間での展示で作家相互が刺激し合い、今後の制作に良い結果を期待しつつ、観る立場からは作家が持つ個性の違いを感じていただくことを願って継続して来ました。
 今回展示を予定している大久保如彌、大坂秩加、丸山恭世は85年前後生まれのほぼ同世代、共に海外での展示も含めてグローバルに活躍し、小野さおり、重田美月は80年前後と少し上の世代で国内中心に展示の機会を持ち、それぞれの場で奮闘を続けているところです。
 同じ所属作家でありながら視点の違いは比較するまでもなく, それぞれの作品をその表現と内容に於いて個性的に展開して見せ、当然作品は共通項で括れる訳ではありませんが、作品コンセプトや技量に於いては拮抗した水準を保ち、それぞれのレベルでしっかりした位置を占めています。
 作品が一堂に会することで、それぞれの作家の特質と力量が見えてくることと思いますが、作家相互が刺激し合う場になり、今後の制作への意欲となって次の作品へと昇華することを期待しています。

大久保 如彌 | Naomi Okubo
1985年東京都生まれ、2011年武蔵野美術大学大学院修士課程修了。スウェーデンでのレジデンス参加以降海外での展示の機会が飛躍的に増え、現在はニューヨークでの滞在で精力的に制作し、ニューヨークやマイアミでのアートフェアや台北の大手ギャラリーでの個展で好評を博しているところです。
初期の作品では女性の内面を表出させる作品を描いていましたが、その後装飾とファッションをテーマに一貫して色彩感あふれる室内や室外の風景を描き、そこに配される人物の服装もまた装飾性を帯び、なお一層風景と人物が混然一体となって、まるでファッション雑誌を見るような画面を構成しています。
しかし描かれる女性は顔を見せず微かな不穏さを醸し、観る人に多様な解釈が可能となるように敢えて描き、単に装飾性あふれる作品にとどまらず、人物の内面性が等価で提示され、雑誌の中に出てくるような理想的なイメージを描くことで、現実の世界での矛盾や消費への欲望を表現しようとしています。

大坂 秩加 | Chika Osaka
1984年東京生まれ、2011年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。
2010以来テーマ性を持った個展を継続して開き、シェル美術賞展やVOCA展などでの受賞を重ね、大学時代から高いレベルで制作してきた版画作品は、町田市立国際版画美術館や中国浙江美術館、上海半島美術館に収蔵され、ドイツや台湾での展示に加え今年はスイスでの個人美術館Museum Franz Gertsch での展示も予定され、活動の場を飛躍的に広げているところです。
作品は学生時代に関わった舞台美術から着想を得、モチーフとしている台詞は戯曲、描く人物は役者、テーマに合わせたインスタレーションは舞台セットといった、展覧会を通した群像劇として作品を作り、虚構の中のリアルを表現していると語っています。展示され描かれる作品世界は身近なモチーフでありながら、日常と非日常が同居し、古いものと新しいものが混然一体となって表現され、描かれる人物のありようはごく普通の市井の人々であり、身近な存在ですらあって見る者に親近感を持
たせます。そうして描かれたた人々の健気さ故の、或は懸命さ故に生じるユーモアは、それぞれの人物が発する言葉と共に市井の人々への愛情と慈しみを感じさせ、同時に人間への眼差しの深さも感じ、見る者を惹きつけてやみません。

小野 さおり | Saori Ono
1981年福島県生まれ、2006年女子美術大学絵画科洋画専攻大学院修了。シェル美術賞展、群馬青年ビエンナーレ、損保ジャパンなどの受賞やVOCA展への出品で広くその実力を知られ、ギャラリー内外での展示で評価を確固たるものにしています。対象の持つ形に釉薬を重ねるように、何層もの深い緑や優しいピンクの絵の具を重ねた作品は、そうすることで不透明なものが質量を持ち始め、意味を持ち始める作品へと変貌を遂げ、完成されて行きます。
描き出される自然や人物は、具象でありながら多分に抽象性を保持し、それぞれのモチーフが持つ本質や普遍性が浮き立つようです。制作を通して自分と向き合い、そこから浮き上がる普遍的な心の動きは時代とともに変化しつつもある共通性を持ち、作品を仲介した感性は多くの人と共有しているという感覚を得て、観る人との会話を進めているのでしょう。

重田 美月| Mizuki Shigeta
1980年神奈川県生まれ。2002年武蔵野美術大学造形学部油絵科卒業。トーキョーワンダーウォールや台北などのグループ展、地方でのアートイベントなどに参加し、私たちのギャラリーでは3 度の個展後しばらく休止し、今回活動を再開しての出品となりました。
初期の作品では自虐的に自己を描いた内面性の強い自画像などを描きましたが、その後風景や食材など身近な物へとモチーフを移し、アニメ調の画面を精緻な筆触とポップな色調で描き、ドローイングでは「ぬりえ風」と称して、独特な柔らかい線描でその画風を一変させました。
日常目にする身近なものと自然の風景が混在する画面は、まとまりのない現実をそのまま受け止め、肯定する作家の姿勢が表現されており、シュールでありながら現実感をも併せ持っていました。
3.11 以降関心はひたすら外の世界へと向けられ、その軋轢との精神的な拮抗の中から世界を深く見つめることとなり、そこから改めて見る暮らしへの歩みを、知らない路地を初めて歩む感覚で進み始め「未知の路地」というテーマで個展を開催しました。そうした歩みを続けて行く中で、その日常的な暮らしを一歩進めて肯定的に受け止め、そうした感覚を大切にして生きるべく、その後の個展ではそれを「途中の面影」と題して作品を発表しています。
当時は中国や日本の中世~近世の花鳥画への興味も深め、それらが持つ気配や存在感、変化するものへの繊細なまなざしに倣いたいと言い、同時に昭和の子ども向けのイラスト表現や玩具への好みから、そうした表現を無垢なものの象徴として捉え、作品表現の要素として用いてきました。今展ではそうした過去の経過をいったんリセットし、原点とも言える「ぬりえ風」に立ち返り、こだわりから解放された日常の中で描いたドローイング作品を発表する予定です。

丸山 恭世| Yasuyo Maruyama
1985年神奈川県生まれ、2011年東京造形大学大学院造形研究科美術研究領域修了。当ギャラリーでの個展を継続しながらシェル美術賞展の審査員賞などを受賞、現在テキサスに在住して制作し、現地ギャラリーでも発表の機会を得ています。
作品は友人などごく身近な人物の日常の中で瞬間的に見せるしぐさや動き、フォルムの美しさやおもしろさをカメラに収め、そうした表情をデフォルメしたり、シンプルに描いたりすることで、それぞれの人物の持つ特徴や表情の深さをキャンバスに再現して来ました。
アメリカ南部テキサスでの生活の中で、被写体から受ける印象はその光の違いに応じたものとなり、色や形で人物を捉え、描かれる人物は抽象性をかすかにまとい、人物の持つ美の根源を引き出そうとしています。

平均:0.0 
レビューした人:0 人

近くの展覧会

人気の展覧会

<<        >>

クリップした展覧会はありません。