pairing FUKUSHIMA Uma Kinoshita x Ryuichi Yahagi 写真家と造形作家による二人展

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会 期
20190301日 -  20190330
開催時間
11時00分 - 19時00分
土曜日18:00まで
休み
日・祝
入場料
無料
作品の販売有無
販売有
この情報のお問合せ
EMON PHOTO GALLERY
情報提供者/投稿者
開催場所
EMON PHOTO GALLERY
住所
〒106-0047 東京都
港区南麻布5-11-12 togoBldg, togo Bldg. B1
最寄り駅
広尾
電話番号
03-5793-5437

詳細

展覧会内容

この春EMONでは、写真家・Uma Kinoshitaと、美術家・矢作隆一による二人展を開催する運びとなりました。それぞれ異なる分野で活動する二人のアーティストは、時間を経たその痕跡に触れるように、2011年に起こった東日本大震災とそれに伴う福島第一原発を題材に作品を制作しています。本展『pairing FUKUSHIMA』はこの二人の創作活動に着目し、ドキュメンタリー写真と石の彫刻を通じてアーティストの視点から見える福島の過去、現在、そして未来への想いを交差させるコラボ展としています。
Umaは震災から3年経った福島を訪れ、その時に見た光景を厳格なコンポジションでモノクロフィルムに記録します。そして福島に千年続く手漉き和紙を使ってゼラチンシルバープリントを焼き上げ、テキストを織り交ぜた14組の作品が並びます。
対して矢作の彫刻は、一見なんの変哲もない石のようで、実は石のフォルムを忠実に削り出す「模石」(もせき)をギャラリー中央に展覧。採取した石は波江町と富岡町で見つけた石であり、それとそっくりに削る石は、メキシコ唯一の原発の付近で採取した石が選ばれました。

この二人展はいくつもの「対」を構成しています。対話するように紡がれたUmaのテキスト。掌であたためるように石を削った矢作の模石。そして海を越えて交わる写真家と美術家の想い。このエキシビションは、反原発の立場で論ずるものではなく、原発事故を引き起こした私たち世代の責任と捉え、時が経っても尚立ち止まり、考える機会をつくろうとするエキシビションです。

本作品は東京・広尾で展覧会を行った後、京都国際写真祭2019KG+に巡回。会場を京都に移して二人展開催を予定しています。

EMONディレクター 小松整司

Uma Kinoshita
写真家。兵庫県生まれ。東京在住。独学で写真を学ぶ、インディペンデントに活動中。2015年より和綴じの手法により写真集を制作。
※手漉き和紙で制作されたオリジナルプリントを限定にて販売致します。エディション3

[statement]
In Silence and In Sorrow 制作について東日本大震災以降、私はたびたび福島を訪れました。ただ時間が過ぎているだけの場所で、あるいは、これまでに見たことのない対応が躍起になって行われている傍で、残されたものはしんと佇んでいました。そのような中でじっとしていると、風に混じって、誰の、とも、何の、ともつかない声が突き抜けた切なさで胸に迫ってきました。なすすべのない私は時折、頷くようにシャッターを切りました。
こうして撮った写真は、通常の手法でプリントしても、ただの風景がつるんと写っているようにしか見えませんでした。試行錯誤の末、私は福島の和紙を使うという考えに至りました。
土地の紙であれば、この手をはるかに超える力で、受けとめきれなかった思いまで、そのまま引き継いでくれるのではないだろうか。望んだことは、自分の存在を消し、伝達者として、それぞれの場所に堆積していた思いを伝えることでした。やがて私は福島で千年以上の歴史を持ち、今も伝統的な手法で手漉きされている上川崎和紙に出会いました。こうして始めた試みは期待以上の効果をもたらし、同じネガでも、プリントするたびに異なる表情を見せてくれました。あの時、あの場所の空気がふわっと立ち上るようでもありました。
どうか、この展示でも、表層をこえて伝わるものがあることを願っています。突き抜けた切なさが皆さまのこころにそっと届きますように。

矢作隆一
メキシコ在住。美術家。1967年川崎市生まれ。1987年大阪あべの辻調理師専門学校卒業後、調理師を目指すも、金沢美術工芸大学へ入学、1995年同大学美術学科彫刻専卒業。同年秋に渡墨し、メキシコと日本を中心に個展、グループ展、ワークショップ等を行っている。

[statement]
「模石」 いしから学ぶこと
大地から引き裂かれた荒々しい石は、想像するに何万年何千万年という時間かけて川を流れ、海へと向かう。そしてなんとか海までたどり着くことができた石はすっかり角が取れ、水濡れてにぶく輝く。やっとここまで来たかと。
石には人を引きつける力があるのだろう。私は河原や海岸でよく石を拾うことがあるが、みな同じように見える石もじつに表情が豊かであり、一つとして同じ形の石を見つけることは出来ない。また拾う場所によっても 形・色・模様・重さ・肌触りが違うことがよく分かる。私はその無数の石の中から幾つか選び、それを模刻する。
福島第一原発事故後、再稼働を始めた原発をはじめとする日本国内の原子力発電所の周辺を訪ねて石を探して歩いた。
石を模刻することは、人の一生とは比べることの出来ないくらい気の遠くなるような間、大地と共にあった石をよく観察することであり、そしてその石から色々なことを想像することである。
その結果、同じ大地に立つ自己自身に向き合うことになるような気がする。 おそらく私は石を彫ることにより石から色々なことを学んでいるのだろう。

関連イベント

レセプション2019.03.01fri 18:00-20:00

巡回展
KG+ Kyoto 2019.04.30tue → 05.12sun
ギャラリーマロニエ Open 12:00-19:00 sun-18:00 Closed, mondays
〒604-8027 京都市中京区河原町通四条上る塩屋町332 TEL:075-221-0117

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