継ぎ接ぎ展 Patching (and Darning)
会期: 2019-01-26 - 2019-02-23
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
コラージュ
平面
開催内容
この度,TEZUKAYAMA GALLERYではグループ展「継ぎ接ぎ」を開催する運びとなりました。
今展では「コラージュ」をキーワードに,厚地朋子(b.1984),井田大介(b.1987),山下耕平(b.1983)の3組のアーティストによる作品を紹介します。是非,この機会にご高覧下さいませ。
【ステートメント】
これはコラージュの展覧会である。コラージュが20世紀初頭,ブラックやピカソらに「発見」されたことは,美術史におけるひとつの見方としておそらく正しい。ここで「発見」と敢えて書いたのは,コラージュがその当時新たに生まれた技法ではなく,既にあったと考えるからである。紙を切り,そして貼り繋げる。要するに,その単純明快な造形行動は原初的だ。ただし,それを美術的であると見なすかどうかは別なのである。しかしこの際,美術か否かの問題は棚上げするとして,造形行動としてのコラージュについて話を進めよう。
コラージュとは,寄せ集めや組み合わせである。遡れば,原始人類による石の積み重ねを,コラージュ的技法の表現と捉え直すことは出来ないだろうか。つまりは,ラスコーの洞窟内動物画の,描く・形作るといった美術的行為よりも,石による祈りや埋葬の痕跡のような造形がまず先にあったはずだ。とすると,幼少期の積み木遊びもまた,同義的な行為として見えてくるのではないだろうか。では,現代の美術に置き換えた場合はどうか。コラージュが包括するエリアは実に広域であり,今回参加する作家の仕事もまた,俯瞰するとその円の内側に点在していることがよくわかる。
ここで話を元に戻そう。コラージュを組み合わせの技術と説明したが,それは切断と接続への言い換えが可能だ。クローズアップされたその繋ぎ目に焦点を合わせると,結合部はひどく醜く脆く,重ね合わせの跡がはっきりと見て取れる。詰まるところ,接合部分はどこまでも切断されたままなのである。