棚田康司展「○と一」(らせんとえんてい)
会期: 2011-09-22 - 2011-10-10
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
彫刻
開催内容
スパイラルに立ち現れる7体の少年少女、訪れる人を導く参道のごとき一本の道。
スパイラルガーデン全体を作品と化す、棚田康司・東京初の大規模個展
スパイラルでは9月22日(木)~10月10日(月)までスパイラルガーデン(スパイラル1F)で、棚田康司展「○と一」(らせんとえんてい)を開催します。
棚田康司は、日本古来の木彫技法である「一木造り」を用いて、少年少女の像を制作しています。ほっそりとした肢体、表情豊かな指先、さまざまな感情を想起させるうるんだ瞳を持つ子どもたち。未熟さや脆さと同時に伸びゆく生命のしなやかな可能性を強く感じさせる表現で知られ、次世代を担う彫刻家として注目されています。本展「○と一」では、東京で開催する初の大規模個展となります。
□□7体の新作を中心に、スパイラルガーデンの空間全体で表現する
□□情報や技術で割り切ることのできない、曖昧で神秘的な世界の存在
東京の街中でもそこかしこに見かける小さな祠や、石碑、神社や家々にある神棚。わたしたちは古来から人知を超えた存在を祀り、祈りをささげることで、目に見えないもの、説明のつかない現象との共生を図ってきました。しかし、高度に発達した技術、溢れる情報によって、その存在はいつの間にか私たちの意識から忘れ去られつつあります。
展覧会に際し、何度もスパイラルに足を運んだ棚田は、「建築として緻密に計算されていて、場所も青山という東京の中央にあり、人間臭さや神秘的な気配が一切ない空間。この空間に敢えて神棚や神社仏閣が感じさせる神秘性を拡大して持ち込んだら面白いと思った」と話します。エントランスからアトリウムまで、訪れた人を一直線に導く参道のごとき道。「風神雷神」をヒントに制作された一対の立像。青山通りに面した窓の向こうに広がる景色から着想を得た赤い瞳の花嫁。家々を守るように佇む少女。棚田は、曖昧で未熟であるがゆえに神に近いとされる少年少女の姿をした像7体を中心に、スパイラルガーデン全体を作品と化し、訪れた人々を情報や技術で割り切ることのできない曖昧で、神秘的な世界へと導きます。
本展では、訪れる人が作品と出会うことで、日々の暮らしの中で忘れかけていた尊さや、人々の生きる知恵に思いを馳せ、次なる一歩を進めることを企図しています。
[出品予定作品] 「風の少年」「導雷少女」「家の少女」「記念日」ほか全7体