内藤明写真展 「once」

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    会 期
    20181205日 -  20181211
    開催時間
    12時00分 - 20時00分
    最終日17時
    作品の販売有無
    販売有
    この情報のお問合せ
    inquiry@altmedium.jp(担当:白濱)
    イベントURL
    情報提供者/投稿者
    開催場所
    Alt_Medium
    住所
    〒161-0033 東京都
    新宿区下落合2-6-3 堀内会館102
    最寄り駅
    高田馬場
    電話番号
    03-5996-8350

    詳細

    参加クリエイター

    展覧会内容

    あの時遭遇した情景が
    フィラメント状の銀による記録として再現される時、
    あのとき以上に心が掻き立つ。
    この妙なる調べ。
    この感傷。

    −内藤明

     写されているのは、取り立てて風光明媚や、奇観とも言い難い場所である。
    自然と人工物を共に見出すようなイメージが殆どではあるが、その在り様に厳密な一貫性があるわけでもない。
    ある特定の被写体に強い拘りを持つわけでもなく、何らかの概念や思考の形象化でもないとすれば、内藤明はなぜ写真を撮影するのか。

     提示されるイメージは、光が濃度をもつ、と形容することが過言とは思えない端正な階調に満ちてはいるが、それは、レンズの前の光を遍く捉え、再現したその結果などではない。
    画面の内の一部を指し示すように、限られた部分に多く光を留めるそれらイメージは、矩形の均質な平面により自ずと成立しているかのような「風景」というよりも、人間の眼差しに限界づけられた「眺め」と呼ぶことこそ相応しいのではないか。

     そうした「眺め」の物化ともいうべき写真は、内藤が繰り返し綴る「衝動」という言葉とどのように結びついているのか。
    撮影行為のトリガーとなる衝動が何に起因するのかを、内藤は言葉によっては明らかに示さない。
    そこに一貫した美的関心が存在することは印画から見て取れるが、むしろ、過ぎ去った後には語り難いものとして、衝動という一語が選択されたのだろう。
    眼前の事物との(被写体に触れた光との)衝突的な出会いは、フィルムの露光というメカニズムと重ね合わされ、痕跡のように可触的に残される。
    衝動としてシャッターをレリーズする行為が内包する、受動性と能動性の分かち難く混淆し、「世界」と「私」が「在る」と同時に発声するような地点が、かつて確かに存在したことを、写真は証し立てている。
    過ぎ去った瞬間を今へと媒介する印画の存在こそが、そのような地点を内藤の内に感傷を伴って感覚せしめる。
    不可視の潜像が、現像という過程を経て銀量を増幅し、やがて可視的になるように。

    −Alt_Medium

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