「ソフィ カル―限局性激痛」 原美術館コレクションより

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会 期
20190105日 -  20190328
開催時間
11時00分 - 17時00分
祝日を除く水曜は20時00分まで/入館は閉館時刻の30分前まで
休み
月曜日(1月14日、2月11日は開館)、1月15日、2月12日
入場料
有料
一般1,100円、大高生700円、小中生500円/原美術館メンバーは無料、学期中の土曜日は小中高生の入館無料/20名以上の団体は一人100円引
作品の販売有無
展示のみ
この情報のお問合せ
原美術館
情報提供者/投稿者
開催場所
原美術館
住所
〒140-0001 東京都
品川区北品川4-7-25
最寄り駅
品川
電話番号
03-3445-0651

詳細

展覧会内容

世界的に注目されるフランスの女性現代美術作家、ソフィ カル。19年前に原美術館で開催し、大きな反響を呼んだソフィ カルの個展「限局性激痛」(1999-2000年)を、フルスケールでご覧いただく再現展を開催いたします。同展は日本の美術館におけるカルの初個展として開催され、会期終了後、全出品作品が原美術館のコレクションに加えられました。「限局性激痛」とは、医学用語で身体部位を襲う限局性(狭い範囲)の鋭い痛みや苦しみを意味し、カル自身の失恋体験による痛みとその治癒を、写真と文章で作品化したものです。人生最悪の日までの出来事を最愛の人への手紙や写真などで綴った第一部と、不幸話を他人に語り、代わりに相手の最も辛い経験を聞くことで、自身の心の傷を少しずつ癒していく様子を、美しい写真と刺繍で綴った第二部で構成されます。自身の人生をさらけ出し、他人の人生に向き合うカルの制作に多くの鑑賞者が心を打たれることでしょう。鑑賞者にさまざまな問いを投げかけるカルの作品を、この機会に是非ご覧ください。

【ソフィ カル とは】
1953年パリ生まれ。見知らぬ人々を自宅へ招き、自分のベッドで眠る様子を撮影したものにインタビューを加えた「眠る人々」(1979年)や、ヴェネツィアのホテルでメイドをしながら、宿泊客の部屋の様子を撮影した「ホテル」(1981年)、拾ったアドレス帳に載っていた人物にその持ち主についてのインタビューを行い、日刊紙リベラシオンに連載した「アドレス帳」(1983年)など、彼女の作品は常に論争を巻き起こしています。90年代の「本当の話」や「ヴェネツィア組曲」なども含め、虚実入り混じる不思議な作品を制作する一方で、「盲目の人々」(1986年)から始まった盲人に焦点を当てたシリーズにおいて、美術の根幹に関わる視覚・認識についての深い考察を行っています。また、映画製作を行なった他、カルの生き方に感銘を受けたポール オースターが、彼女を小説「リヴァイアサン」の登場人物マリア ターナーのモデルとしたことをきっかけに、逆にカルがターナーを演じた作品「ダブル・ゲーム」(1998年)を発表するなど、その活動は現代美術の枠組みを超えて広く注目を集めています。テートギャラリー(1998年)やポンピドゥーセンター(2003年)での個展の他、各国の主要美術館にて個展を多数開催、第 52回ヴェネチアビエンナーレ(2007年)にフランス代表として参加。2017年にはフランスにおける久々の個展を、パリ狩猟自然博物館という異色の会場で開催し、話題になりました。原美術館では、「限局性激痛」(1999-2000)に加え、カルが長年にわたって追究してきた視覚や認識に関するテーマを扱った「最後のとき/最初のとき」(2013)の 2回の個展を開催しました[「最後のとき/最初のとき」は豊田市美術館(2015年)、長崎県立美術館(2016年)へ巡回]。

「限局性激痛」制作にまつわるエピソード】

【1】原美術館で世界初公開
日本滞在が契機となって誕生した作品「限局性激痛」は、日本で最初に発表したいという作家の希望を受けて1999年の原美術館での展覧会のためにまず日本語版が制作され、その後フランス語や英語版も世界各国で発表されました。

【2】フランス語版
フランス語版『Douleur Exquise』はポンピドゥー国立近代美術館での大個展(2003-2004年)に出品され た後、同館コレクションに加わりました。

【3】テキスト刺繍は新潟で制作
「限局性激痛」第二部で特徴的なのは、テキストが全て刺繍でつづられている点。
「見本と寸分違わず刺繍できる凄腕の職人がフランスにいる」という作家の情報を受けて、当初、日本語のテキストをフランスで手刺繍してもらう予定でした。 しかしなにしろ膨大な量です。新潟にある刺繍工場の方と偶然にも幸福な出会いがあり、大変な協力を得て、まずは日本語版の機械刺繍が完成しました。生地は作家こだわりの麻布をベルギーから取り寄せました。作家も出来栄えに大いに満足した結果、フランス語版と英語版も新潟で制作されました。

【4】こだわりの翻訳
ソフィ カル作品の命ともいえるテキスト。コピーライターの竹内桃子氏にお願いして、原文にあるニュアンスを取り込みながら日本語版テキストを完成しました。

【5】第一部で被写体となった品々
15年間封印されていた思い出の品々―行動を記録した手書きのメモ、地図、ポラロイドやコンタクトプリント、(中国の)紙幣、そしてあってはいけない某ホテルの鍵などは、全て、ひとまとめにしまわれていました。作品制作を決めた作家は、これを開封し、メモや記憶をたよりに必要に応じてその地を再訪するなどして、数年をかけてこのシリーズ作品が完成しました。

【6】哲学者やアーティストも作品に参加
第二部で、自らの最もつらい体験をカルの失恋体験と交換した相手の中には、哲学者やアーティストも。当館にて2012年に個展を開催したフランスの現代美術作家、ジャン=ミシェル オトニエルも実はその一人です。

関連イベント

【アーティストトーク(作家来日予定)】
2019年2月1日(金) 原美術館ザ・ホール
※詳細は決まり次第、原美術館ウェブサイトにて掲載

【ソフィ カル個展を都内 2箇所で同時開催(作家来日予定)】

ソフィ カル «Parce Que »(なぜなら)
2019年 2月 2日[土] -3月 5日[火] ギャラリー小柳

ソフィ カル «Ma mère, mon chat, mon père, dans cet ordre. »(私の母、私の猫、私の父、この順に。)
2019年 2月 2日[土] -3月 11日[月] ペロタン東京

アーティスト・トーク(作家来日予定)2019年2月1日(金)原美術館ザ・ホール
※詳細は決まり次第、原美術館ウェブサイトにて掲載。

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