塩田正幸「ケの日ヒョウハク 2 ヤブレとヒズミと方向」展

開催概要

会期
2018年09月15日 〜 2018年11月03日
会場
amala (東京都武蔵野市吉祥寺本町1-36-8 小倉ビルB)
参加クリエイター
塩田正幸
ジャンル
写真

開催内容

塩田は2000年代から多数の作品集の制作やカルチャー誌・CDジャケット等の撮影を通じ て、鋭敏な感覚で捉えた同時代性のある写真に熱狂的なファンを獲得してきました。初期の 作品に多く見られるスナップ写真から変容し、最近ではブレを狙ってカメラを動かしながら 撮影することが増えてきました。その予期しない驚くべきことを捉えようとするスタイル は、さまざま音楽ジャンルの聴取を経てきた塩田らしい「即興音楽」の演奏技法に近い撮影 手法と言えます。ファインダーを覗かないまでも視点や光の変動で得られる効果すら習得しつ つある写真は既存の音楽ジャンルから離れて自由であろうとしたインプロヴィゼーションのよ うであり、さらに自分の暗室でプリントの階調をコントロールすることで現実とは異なる異 質な世界を描き出すことに成功しています。

今回の表題となる「ケの日」とは、いわゆる非日常と日常を表す「ハレとケ」のうち、祭 りに対して普段の生活を表す「ケ」の中で一般的な写真の枠を壊す視覚的表現に関心を持ち 続けてきた塩田の造語によるシリーズタイトルです。本ギャラリーで2回目の展示となる本展 では約3年間撮りためていた写真を三部構成で計8点を展示予定です。

まず、第一部「ヒズミ」(歪み)は「過去」を表し、スナップ写真というスタンダードであ り古典的な表現を提示しています。薄暗い色調で日本の地方風景を捉えた作品には古い年式 の車や寂れた街の片隅などが写り込み、そこからはさまざまな人間や日常生活の物語が読み 取れます。次に、第二部「ヤブレ」(破れ)は「現在」を表し、奇怪な岩のある自然の光景を写したプリントの階調をコントロールした上にドローイングを重ねるなどして、現実のも のの描写である状況を実験的に壊し、写真の枠を拡げてみせます。最後に、第三部となる 「方向」は「未来」を表し、そこには一見何が写っているのかわからない不明確な物体が特 別な意義を持って明瞭に写っており、写真表現に向き合ってきた塩田の次なる創作プロセス が宣言されているかのようです。

塩田正幸「ケの日ヒョウハク 2 ヤブレとヒズミと方向」展