めがねと旅する美術展

開催概要

会期
2018年07月20日 〜 2018年09月02日
会場
青森県立美術館 (青森県青森市安田字近野185)
ジャンル
その他
タグ
サイエンス、近代アート、現代アート

開催内容

めがねと旅する美術展
  世界をとらえる、秘密をのぞく、次元を越える、だまされてみる? あるいはレンズと鏡、そして技術革新と新視覚

「めがね」、それは「視覚」と「技術」の関係性を象徴するガジェットと言えます。
レンズ、だまし絵、遠近法、顕微鏡、望遠鏡、VR・‥。
それらは何をうつし、私たちは何を見てきたのか。
本展は、江戸時代の《洛中洛外図屏風》から浮世絵、近現代の美術作品から、映画、アニメ、そして数々の視覚体験装置から最新のVRまで、250点を越える作品と資料で、19世紀以降、劇的な発達をとげた視覚文化の歴史を紹介します。
アートとテクノロジーがあぶりだす人間の「夢」と「欲望」の世界へようこそ。


[出品作家(五十音順)]

新井泉男、新井仁之/新井しのぶ、飯田昭二、家住利男、池内啓人、石内都、市川平、伊藤隆介、稲垣足穂、今和泉隆行(地理人)、入江一郎、岩崎貴宏、上田信、歌川国貞(二代)、歌川国貞(三代)、歌川重清、歌川豊春、歌川広重、歌川芳盛(二代)、江戸川乱歩、生頼範義、大洲大作、大畑稔浩、岡田半江、金氏徹平、金巻芳俊、岸田めぐみ、北尾政美、桑原弘明、黒川翠山、小池富久、小絲源太郎、五島一浩、今純三、今和次郎、佐竹慎、司馬江漢、鈴木理策、諏訪敦、高橋由一、高松次郎、田中智之、谷口真人、谷崎潤一郎、千葉正也、塚原重義、椿椿山、東京モノノケ、中ザワヒデキ、中村宏、丹羽勝次、野村康生、原在正、菱川派、平川紀道、不染鉄、前田藤四郎、松江泰治、松村泰三、松山賢、伝円山応挙、Mr.、棟方志功、元田久治、森村泰昌、門眞妙、安田雷洲、やぼみ、山口晃、山口勝弘、山田純嗣、山本大貴、宵町めめ、吉開菜央、吉田初三郎、米田知子、リュミエール兄弟、和田高広

東京大学大学院廣瀬・谷川・鳴海研究室+Unity Japan (松本啓吾、鳴海拓志、築瀬洋平、伴祐樹、谷川智洋、廣瀬通孝)、東北芸術工科大学総合美術コース松村泰三研究室、東京大学大学院情報理工学系研究科廣瀬・谷川・鳴海研究室、北海道教育大学美術・デザインコース映像研究室、めぐりあいJAXA実行委員会(五島一浩、潭隆志)、理化学研究所脳科学総合研究センター


[出品作品・資料・装置]
浅草・凌雲閣関連資料、アンティーク眼鏡、源氏物語屏風、重訂解体新書図譜、パノラマ画、眼鏡絵、洛中洛外図屏風、カメラオブスクラ、自働パノラマ鏡、ステレオグラム、ソーマトロープ、泰山鏡(眼鏡絵器具)、TVアニメーション「名探偵ホームズ」、反射式覗き眼鏡、ピープショウ、驚き盤(ヘリシオネグラフ)等

※出品作品・資料については変更される場合があります。また一部作品は前期(7/20- 8/12)と後期(8/13 - 9/2)で展示替えを行います。



[展示構成]
1.世界をとらえる
遠くの景色やそこにいる人々を手に取るように観察したいという願望をかなえる装置が「遠眼鏡」、すなわち望遠鏡です。また、高層建築や飛行機などの登場により、私たちは鳥のような高みからの視点も手に入れることができました。ここでは江戸時代初期の洛中洛外図にはじまり、浮世絵師が描いた江戸の町、現代の作家による俯瞰する風景など、「世界を一望する」願望が反映された作品を紹介します。


2.秘密をのぞく
肉眼では捉えられないものを見ることに先人たちは情熱をそそぎ、望遠鏡や顕微鏡を作ってきました。このセクションのテーマである「のぞく」ことも、「普通は見えないもの」を見ようとする活動ではありますが、遠すぎたり小さすぎたりするから見えないというわけではなく、社会的に見てはならないとされるものを伺う、あるいは狭いのぞき穴の視覚を独占するというのがのぞきの視覚です。ここでは、源氏物語絵に描かれた垣間見のシーンから、のぞき見る装置を利用した現代作品までを紹介します。

3.だまされてみる?
人間はそれまでの視覚の「常識」を揺さぶられるような新しいイメージに触れた時、その新鮮な視覚の魅力につい惹き込まれてしまいます。江戸から明治にかけては絵が立体的に見える「めがね絵」や「のぞきからくり」が流行し、現在も錯視を利用したトリックアート的な作品が広く人気を集めています。この驚きは「だまされている」という意識が前提となっています。分かっているからこそ味わえる不思議さ。視覚という機能の曖昧さが世界の見え方をより面白くしてくれるのです。みなさんも様々な視覚の「仕掛け」にだまされてみませんか。

4.次元を越える
風景画や静物画といったおなじみの絵画。これらは3次元の現実世界を2次元の絵画世界に落とし込んでおり、いわば次元を越えた翻訳ということができます(さらにそこに画家の思想や意図が付け加わるわけです)。現代の美術作品の中には、そういった絵画の性質に意識を向けたり、さまざまなメディアの特性を利用して見えないものを捉えようとする作品があります。ここでは、3次元と2次元を自由に行き交う作品、3次元を超える高次元を数学的方法論で表現した作品等を紹介します。

5.レンズと鏡
「眼鏡」や「顕微鏡」といった言葉が示すとおり、「鏡」はレンズと同じく、光、すなわち視覚を操作する道具として表現者たちをひきつけてきました。ここではガラスや鏡などの素材を用いて光の屈折を取り入れた作品や、レンズや鏡面がもたらす効果を利用した作品を紹介します。

6.技術革新と新視覚
見ることに対する人間の欲望は尽きることがありません。古くは写真や映画、現在はVR(仮想現実)やAR(拡張現実)などテクノロジーの発展とともに新しい視覚性を切り拓く表現形式が多数登場しています。これらはエンターテインメントとして提供される一方、視覚とは何かという認知科学の分野からの研究も盛んに行われています。ここでは、新視覚をテーマにした様々な作品、そして研究成果を紹介します。

7.新作アニメーション「押絵ト旅スル男」上映
「のぞきからくり」、二次元と三次元の間にある「押絵」、「双眼鏡」、凌雲閣という塔から町を見下ろす視点など、展覧会のコンセプトと共振する要素を多く持つ江戸川乱歩の「押絵と旅する男」をアニメ化し、会場内で上映します。

原作:江戸川乱歩
監督:塚原重義
キャラクターデザイン・作画監督:やぼみ
音楽:アカツキチョータ
プロデューサー:迫田祐樹
企画:トリメガ研究所(川西由里、工藤健志、村上敬)
キャスト:細谷佳正、梶裕貴、坂本頼光

めがねと旅する美術展