3 ARTISTS EXHIBITION Phases on Surface
開催概要
開催内容
皮膜の形相 Phases on Surface
「絵画」とか「版画」と呼ばれる作品は、板やキャンヴァス、紙の上の表現であり、そこには、現実の裏側はあっても奥行きをもった深さがあるわけではない。あくまで描き出されたイメージに過ぎない。さらに「写真」や「映画」、「テレビ」の画面でも、手わざと異なる技術的な裏付けがあったとしても同じことである。
私たちの眼は表面上に見えるものを介し、これまで生きてきた経験による記憶と知識を投影して、そこに、単なる平面ではなく、三次元、四次元の世界を想起しているのだ。
はたして今回、三者三様のパラメーター(媒介変数)によって、表に現われた形相はどのようなものなのか。何を想像させてくれるのだろうか。
大橋紀生(エディター、本展企画)
秋山 潔 Kiyoshi AKIYAMA
「視覚と記憶」という人間の根源的な問題を意識して制作している。
「うつす」という事にこだわり、錆という「版」の表面にまなざしを向けてきた、鉄板や銅板を焼き、塩化アンモニウムを加え腐食させる、それを直接和紙に又は写真をプリントした和紙にうつしとる、そこには時間に触れる、剥がすという意味、行為があり、腐食によって変容する表情は美しくそして寡黙である。
山梨県富士川町生まれ、1981年作品発表開始1993年錆の転写による作品「時の温度、TouchtheTime」シリーズを制作、現在に至る。「日仏現代美術展」(東京都美術館、パリ.グランパレ)「現代日本美術展」(東京都美術館、京都市美術館)など個展、グループ展多数。
平田星司 Seiji HITARA
表出の可能性、または「未だ-ない」ものへの関心。言いかえれば、手で触れられるように、直接的な「既に-ある」ものの可能性。例えば絵画の表面に着目し、塗料や絵の具の皮膜を使った作品もその一つ。
アイデアをきっかけと捉え、プロセスを通して得た経験をそのつど継いで、変化しながら生成する制作を模索する。
東京生まれ1994年渡英ブライトン大学、スレード美復校大学院絵画科修了1995年South Bank photoshow(Royal Festival Hall, London)3席受賞1997年帰国後、アートプログラム青梅2009(東京)、2017年都美セレクション展(東京都美術館)など都内を中心に個展、グループ展多数。
中村陽子 Yoko NAKAMURA
無限の脈絡のうちにあるにちがいない奥深い「いのち」の様相をテーマに制作してきた。支持体に落された絵具の一点からはじまる私の描画は、記憶・感覚・理性・感情などを織りなしているであろう「無意識の世界」と、曖昧の中にフォーカスされた「意識の世界」と、「手のアクション」という三つの世界が、「気」によって統合されながら生まれる。その描画図像を紙に写しとる「転写」というプロセスを介在させて、向こうからやってくる「ゆらぎの妙」をとりこんでいる。今回は、とくに紙の半透明性を生かした作品にも力をそそいだ。
東京生まれ、1994年より個展を中心に活動を開始、2000-09年にニューヨークで発表。