小橋 陽介|ヒッヒッフー

開催概要

会期
2018年05月05日 〜 2018年06月02日
会場
GALLERY MoMo Ryogoku (東京都墨田区亀沢1-7-15)
参加クリエイター
小橋陽介
ジャンル
アート
タグ
インスタレーション、平面

開催内容

 GALLERY MoMo Ryogoku では5 月5 日から6 月2 日まで小橋陽介展「ヒッヒッフー」を開催いたします。
 小橋陽介は1980 年奈良県生まれ。2003 年大阪芸術大学卒業後、翌年神戸アートアニュアルに出品、2006 年水戸芸術館クリテリオムでの個展と同時にVOCA 展へも推薦され、自由で伸びやかな画面構成と豊かな色彩感で注目されるところとなりました。2014 年には、大阪の国立国際美術館でグループ展に参加し、今年3 月にはニューヨークのアートフェアVOLTA NY で展示をし、その活動の場を広げています。
 初期の小橋の作品は、現在も続くself-portrait シリーズが中心で、ゴーギャンのような荒々しい色彩やタッチ、またマティスが『ダンス』で描いたような柔らかな体のラインやリズムを想起させます。自然と一体に描かれた裸体の自画像と共に、見る者に開放感をもたらしてきました。近年、モチーフは自画像から身近な対象物へと拡がりを見せ、そこに描かれる友人や身近な動植物、或いは風景に屈託のない関わりを見ることが出来、彼自身の日常の在り様と矛盾なくつながっています。
 個人での制作の一方で、アーティストユニット「ハジメテン」のメンバーとして金氏徹平、梅佳代、川島小鳥などとユニットを組み、活動の場を広げていきました。そうした活動の中で、小橋は空間に対する興味をより深め、絵画作品をインスタレーションの要素の一つとして制作するようになりました。その展示方法にも、作品に観られた自由で伸びやかな感覚を見ることができます。

 2014 年の国立国際美術館で開催された「ノスタルジー&ファンタジー」展に於いては、そうしたスタンスが如何なく発揮されて異彩を放ち、圧倒的な作品点数とインスタレーションは観る人を驚かせました。同時に、作品一点一点のモチーフには身近なものが多く、観る人に幻想的でありながら、どこか懐かしい感覚を与えました。
 周囲の友人や身近なモチーフの作品、その自由な表現は、一見展示タイトルも含めて意図的に思想性を排除して、ただ楽観的なだけにも見えます。コンセプトを求められるアートの世界において逆行しているように見えますが、境界線がなく、カテゴライズされることのない寛容性のある表現こそが、多様性に溢れた社会と時代を象徴する要素を含んでいると言えます。
 もちろん小橋自身は、このように作品を定義することを嫌いますが、どこまでも自由であろうとする姿勢が、様々なモチーフの組み合せや異なる支持体の展示方法などに発揮され、またその絵画たちからは、変わらず描くことの喜びと楽しさを感じさせます。
 こうしたモチーフやマテリアル、展示方法など変化する自身の制作欲を肯定し、自由な感覚を得るため、特定のテーマ性を持たせないタイトルで展示を構成し、自分の中の矛盾すら肯定していくようなその姿勢は、作品にまとまりを欠いたバラバラな印象を与えるかもしれません。しかし、絵画本来の自由さを求めて来た小橋にとって、それは飄々と走り続ける小橋自身の体感であり、出産の呼吸法である「ヒッヒッフー」という今展のタイトルは、彼自身のアーティストとして、何度でも生まれ変わることができるというメッセージのようにも思えます。

 作品だけでなく、インスタレーションを含めた展示全体で小橋ワールドに浸っていただき、言葉にならない世界をそのまま受け止め、感じていただければさいわいです。

小橋 陽介|ヒッヒッフー