アートスペース油亀企画展 寺村光輔のうつわ展「 陰翳礼讃 」
開催概要
開催内容
日本家屋と聞いて、思い浮かべる名著がある。谷崎潤一郎の「陰翳礼賛(いんえいらいさん)」だ。
日本家屋がもつ「かげ」を称えたこの本を読むたびに、
我々は「かげ」の美しさに気がつかず、自ら放棄しているように思えてならない。
光がたえない室内。煌々と照らされた食卓。きらびやかな器に照明があたる。
電灯が生み出した人工的な「かげ」の世界。谷崎が称えた「かげ」とは真逆のものだ。
朝、昼、夕暮から、宵闇へ。太陽が移りゆくと同時に、
新たな「かげ」が生まれ消えていく様を目にすることは、もはや不可能なのか。
そんな一抹の不安を抱いていた頃、私はある皿と出会った。
陽の光にあたり、くるくると表情を変える。
つまるところ、それは「かげ」を纏っていたのだ。
皿の作り手は寺村光輔。栃木県益子の陶芸家だ。
彼は谷崎が称えた失われた「かげ」を超え、新たな「陰翳」の世界を我々に見せてくれるだろう。
■■■ 作品点数と内容 ■■■
新作の正角皿をはじめ、
益子の土から生まれた、日常使いの
マグカップやそば猪口、丼、片口、飯碗、
八角皿、浅鉢、深鉢、深小鉢、大鉢、
四方鉢、中鉢、麺鉢、小皿、中皿、大皿、角皿
オクトゴナル(八角皿)、オーバルプレート、
ピッチャー、花器など。
本展では寺村光輔が生みだした
1,000点を超える渾身作が一堂に会します。
※展示作品はすべて販売いたします。
※「油亀のweb通販」で、ウェブ通販も開催いたします。
■■■ 作品の魅力 ■■■
作品の特徴は、その雑味にある。
益子の土、それもあえて加工されていない
原土に近いものを使うのが、寺村光輔のうつわの特徴。
そのため、益子の土の個性がそのままうつわに現れる。
うつわの表面に出る黒い点などは、その一つ。
また、今となっては入手不可能といわれる幻の土、
寺山白土を作品に使用している。
そして、自然の恵みから生まれる灰釉(はいゆう)も、
寺村光輔作品の特徴の一つ。特に、林檎の樹の枝を燃やして
つくる林檎灰釉(りんごはいゆう)を試走した作品は、
独特の温かみを感じさせる、寺村光輔の大人気シリーズ。
手間のかかる工程を丁寧にやりとげていくことで、
うつわを使う人の気持に寄り添った作品を生み出している。
そのため、使い勝手は抜群。
一度買ったうつわの色違いを求めてやってくる人も多く、
日々のくらしの中で気持ちよく使い続けることができる。