unico file vol.2 青木尊大物産展 ~青木さんとわたしの関係~

開催概要

会期
2017年11月11日 〜 2018年01月14日
会場
はじまりの美術館 (福島県耶麻郡猪苗代町新町4873)
ジャンル
アート
タグ
平面

開催内容

力強く印象的に描かれた目、ボールペンや鉛筆でゴリゴリと刻まれた線と形、そして画面にあふれるユーモア。作者の名は、青木尊。小学生の頃から絵を描きはじめ、入所した施設あさかあすなろ荘で創作活動を行い、施設を出た今でも自宅で制作を続けています。実は青木さんは、ここ「はじまりの美術館」が生まれるきっかけとなった作家のひとりでもあります。
本展は、青木尊の作品と、青木尊の関係者の「ことば」で構成された展覧会です。この展覧会であなたは、青木尊と出会い、青木尊を知らないからこそ様々なことを想像するはずです。その印象をぜひ「ことば」として残してください。あなたにも、この展覧会の「関係者」になってほしいのです。
展覧会を見終わったあと、あなたはきっと「青木さん」に会いたくなる……はず?!


青木 尊(AOKI Takeru)  1968年生まれ 福島県出身・在住
個展「青木尊物産展~青木画伯が産み出した○○なもの~」(ビックアイ市民プラザ/福島/2005)。主な出展歴に「エイブル・アート・フォーラム郡山」(あぶくま養護学校/福島/2000)「ヒトのかたち」(るんびにい美術館/岩手/2010)、「ひとのかたち、それぞれ」(もうひとつの美術館/栃木/2011)他多数。主な受賞歴に「ワンダー・アート展」入選、他。


[みどころ]

■幻の作家「青木尊」
1990~2000年代初頭、青木尊の作品は、はたよしこ氏(ボーダレス・アートミュージアムNO-MAアートディレクター)に注目され、福祉系雑誌の表紙に取り上げられたり、公募展への推薦を受けるなどしたことをきっかけに、福島県内外で多くの展覧会に参加してきました。その作風はエネルギッシュで、濃厚。特に青木の描く人物の眼力は他にはない特筆すべきものがあり、多くの人の足を止めてきました。
2007年には福祉制度のはざまで、当時利用していた福祉事業所を離れ、自宅で過ごすようになりました。しかしそれ以後も地道に制作を続けていました。近年「アール・ブリュット」として注目が高まるきっかけとなったパリでの作品展へもノミネートされていましたが、契約条件が整わず出展は断念。全国的な知名度を得ぬまま、今日を迎えています。本展は、その青木尊の12年ぶりとなる二度目の個展です。展覧会タイトル「青木尊大物産展」は、2005年に郡山市内で開催された一度目の個展「青木尊物産展」へのオマージュとなっています。社会福祉法人安積愛育園がはじめて自分たちの手で実施したこの展覧会は、「もっとたくさんのひとにおもしろい表現をみてほしい」という、はじまりの美術館の原点のひとつともいえます。

プロレスラー、芸能人、植物、お化け……身近な画材で描き出された多様なモチーフ
青木は、主に紙にボールペンやペンなどで彼の好きなものを描きます。たとえ同じモチーフでもひとつひとつの作品の表情は大きく異なり、鑑賞者はいつのまにか作品の魅力に引き込まれるでしょう。また今回の展覧会では、モチーフごとに「青木尊とトラック」「青木尊とプロレスラー」「青木尊と山」「青木尊と不思議なもの」「青木尊と虫」そして「青木尊とわたし」という、7つのエリアに分けて作品が展示されています。エリアごとに、青木尊とそれぞれのモチーフとの関係や制作の背景などのエピソードが書かれています。作品の鑑賞、そして作品の背景などのことばを絡めての鑑賞など、多層的な鑑賞を行うことができます。

「アーカイブ構築事業」をもとにつくられた展覧会
本展は、日本財団助成の「全国の作品調査にむけたアール・ブリュット美術館におけるアーカイブ構築事業」の成果のひとつとして実施されます。この事業では、はじまりの美術館運営母体である社会福祉法人安積愛育園で日々生み出される作品のアーカイブ(整理・保存・活用・公開など)を実施しています。はじまりの美術館では、作品の画像や基本情報のアーカイブに加え、作品が生まれた背景など作品にまつわるエピソードのアーカイブも試みています。プロジェクトの途中経過としても、この展覧会をご覧いただければ幸いです。

青木さんと支援員の関係性から、青木さんと「あなた」の関係性へ
会場内の「青木尊とわたし」というエリアでは、青木さんが入所していた施設・あさかあすなろ荘で支援をしていた支援員と青木さんに関わりが深い作品や過去の記録などを展示しています。青木さんの作品を見ると、どれもモチーフヘのこだわりが強く、どんな方が描いているのだろうと思わずにいられません。
そこで来館者が会場内ではじめて出会った「青木尊」さんのことを言葉にして残すことができるスペース「青木尊大物産展-わたしの声コーナー」をつくりました。次の鑑賞者や後世に青木さんを伝えていくために、その印象や感想、気になったことなど、「わたし」が感じた青木さんの印象を書いていただき、この展覧会の
関係者になってほしいと思います。

unico file vol.2 青木尊大物産展 ~青木さんとわたしの関係~