梅津 庸一 「消えない蒙古斑」

開催概要

会期
2017年10月05日 〜 2017年10月08日
会場
URANO (東京都品川区東品川1-33-10-3F)
参加クリエイター
梅津庸一
ジャンル
アート
タグ
平面

開催内容

この度URANOでは、 10月5日から8日まで梅津庸一個展 「消えない蒙古斑」 を開催いたします。 尚、本展はTOKYO ART BOOK FAIR 2017 の会期に合わせて開催される特別ミニ個展であり、 小西紀行展と同時開催となります。

 梅津庸一は東京造形大学絵画科卒業後、ラファエル・コラン (1850-1916 年) の代表作 「フロレアル」を自らの裸像に置き換えた 「フロレアル ( わたし)」 (2004-2007 年)でデビュー。また、2014 年には黒田清輝の 「智・感・情」(1897-1900 年) をアップデートした、 四枚の絵画により構成される 「智・感・情・A」を発表し、その後、フェルディナント・ホドラーの「昼」(1900 年) を下敷きにした、幅3m を超える大作 「昼(東洋のわたし)」 (2015 年) を発表するなど、日本における近代美術の展開とその末尾に位置する自分自身の関係を探求し続けています。 また2014 年から美術共同体 「パープルーム」 を主宰し、天真道場等といった画塾の時代から現代の美術予備校および芸術大学にいたるまでの、美術と教育、共同体の在り方についてを実践、批評考察を重ねています。 近年の主な展覧会として、愛知県美術館個展企画ARCH での個展 「未遂の花粉」 (2017年)など。 また、「恋せよ乙女!パープルーム大学と梅津庸一の構想画」 (2017年・ワタリウム美術館)、 「瀬戸内国際芸術祭」 (2016 年・女木島)など、梅津個人としてだけでなくパープルームとしても全国各地で展覧会に参加しています。

 これはギャラリーのオフィスの隣にある小さなミーティングルームで行われる小さな絵による小さな個展である。
 今回展示されるのは「不詳シリーズ」と呼ばれる作品たちだ。 これらは、わたしの仕事の中でも比較的最近はじまったもので今回の出品作は今年の夏以降に集中的に描かれたものである。 「不詳シリーズ」はわたしにとって実験場のような意味合いがある。 古今東西の様々な絵画言語の断片やちょっとした思いつきや暗号をメモのように記録する。 それは常にアトリエの壁や机の上にたくさん並んでいて、眺めたりなにかの合間に手を加えたりする。 それぞれの間には様々なレベルでの繫がりがある。 ある性質を引き継いでいたり、それを受けて改変されたり、それぞれの間で乱反射するように関わりあっている。 いたずらに複雑な過程を経てそれらは作られる。 それぞれがそれぞれの断片であり、拡大したものでもあり、縮小したものでもある。 制作というより生成という言葉がふさわしいだろう。 半透明のゼリー状の膜に柔らかい結晶の角を培養するように。
 だけれどもそんなにナイーヴなことばかりも言っていられない。 現在、絵画は様々な制限を受けることを避けられない。その制限をなかったことにして自由に振る舞うのではなくその制限の影響下でやれることを考えたい、またその制限がなにに起因するのかを辿ることも必要である。
 すでに歴史上に存在する膨大な作品たちと図や質やどこかが似ているかもしれないしそうでもないかもしれない。「不詳シリーズ」にとって重要なことはこれが美術史にどう紐づけることができるか、これらは絵画と呼べるものなのか、またどういった形で人目に触れさせたら良いのかが正直わからないが、これ自体が「消えない蒙古斑」としか言いようのないものであるという点である。
( 梅津庸一)

梅津 庸一 「消えない蒙古斑」