バンドウジロウ 初個展 比類なきこのマントラ
会期: 2011-05-31 - 2011-06-11
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
その他
展覧会タグ:
ライブパフォーマンス
サウンド
グラフィックス・ビデオアート
カリグラフィー・タイポグラフィ
開催内容
このたび、ソーンツリー ギャラリーおいて、タイポグラフィ作家、音楽家として活躍する、バンドウジロウの初個展となる「比類なきこのマントラ」を開催いたします。
展示タイトルは有名な大乗仏典「般若心経」、“これから教えるマントラは比類がないほどすばらしいものなんだ”と期待感を煽る一節から取られています。マントラとは「真言」とも言われ、つまり「呪文」の意。仏教のマントラは「浄化」の意味を持つものが多く、社会全体の「浄化」を意識しています。
バンドウは、これら仏教の教えと、現代的なビジュアル表現である、タイポグラフィ、グラフィック、さらには音楽表現をぶつけることによって、よりブッダの教えに興味を持ってもらいたいと語ります。今回は、様々な仏教の教え中でも、大らかさを持つ「密教」の経典をモチーフに選んでいます。「現代日本人の価値観の根底にもミクスチャーな密教の教えが深く関わっていると思っています」。
バンドウのタイポグラフィのモチーフは、最初「古今東西の聖者・賢者のことば」から始まって、最近は仏典からの引用が多くなっています。
彼にとってタイポグラフィは、「ことばの持っている意味に表情を付けていく行為」といいます。「写経」のような意識が強い、と。「いい言葉を、書くこと(デザインすること)によってまず自分の頭にインプットして、最終的には鑑賞者に伝えたい。
仏典などの聖典に書かれている言葉は、それ自体に深い意味があるので、噛みしめながらデザインしています」と言います。
今回の展示で、写経の発展形としての「タイポグラフィ」と、読経の発展形としての「オルタナティブ宗教音楽」により、「自分の思想的な立ち位置を表明しづらい日本の中で、あえて“自分の宗教的スタンスをアピールする行為”を社会批評的なアート表現として提示したい」と語るバンドウ。
現代美術、ミュージシャン&グラフィックデザイナーとしての彼の経験、長年の精神世界や宗教への興味、政治への怒り、などすべてが凝縮した展示となることでしょう。ぜひ、足をお運びください。