企画展示「URUSHIふしぎ物語-人と漆の12000年史-」
開催概要
- 会期
- 2017年07月11日 〜 2017年09月03日
- 会場
- 国立歴史民俗博物館 (千葉県佐倉市城内町 117)
- ジャンル
- クラフト
- タグ
- 伝統工芸、漆
開催内容
12000年前、私たちと漆とのつきあいは始まりました。
ジャパンと呼ばれて、ときには「日本」の顔となり、ハレの日の器、神や仏の祭具、武将たちの城、下駄に、傘に、列車に、船に・・・。
漆はいつも人々の身近にありました。
強靱さ、しなやかさ、あたたかさ、艶やかさ。
生活の中で生き続けてきた漆という不思議な素材。
単なる伝統としてではなく、私たちは何を伝えられるでしょうか。
【第一章】ウルシと漆
植物としてのウルシにはどのような特性があるのか、ウルシは日本に自生したのか、ウルシを利用する文化は いつごろから起こったのか、縄文時代の最古段階の漆製品はどのようなものなのかなど、植物学と考古学における最新の研究成果を、出土遺物をもとに解説します。
【第二章】漆とてわざ
漆液を塗料として利用する漆工芸には様々な技術があり、縄文時代以降、多彩な展開をみせています。漆の特性を活かしながら考案された複雑な技術は、改良され洗練されることにより、それぞれの時代が求める造形を生み出していきました。各時代の代表的な漆工技術とその特徴、時代による技法の変化等を通じて、日本列島における豊かなてわざの世界に迫ります。
【第三章】漆とくらし
漆器が人々の生活に欠かせないものであったことは、漆塗りを施された什器類の種類の豊かさが物語っています。また、植物としてのウルシは、塗料とされるばかりではなく、その耐水性を活かした利用や、接着剤としての使用、蝋の原料としても知られています。それらには現代では失われてしまった文化も少なくありません。
【第四章】漆のちから
漆は希少であるゆえに古代から税としてあつかわれ、また多彩な漆工技術を駆使した建築や調度品は、超越的な神仏の力や、権力者の財力そして美意識を象徴するものとして重要な役割を演じました。ここでは、漆の果たした社会的・文化的機能に注目し、権力に付随する漆および漆器の流通や、漆の象徴性などに焦点を当てます。
【第五章】漆はうごく
生産・制作された漆器は、特産品として国内の他の地域に流通し、技術交流を促しました。日本と同様に漆工技術を有するアジア内でも、それぞれの地域の個性ある漆工品が交易の対象となり、16世紀以降はさらに西洋人の注文による漆器が輸出されて漆は世界的な広がりをもつにいたります。近年の研究は、製品にとどまらず原材料としての漆液もアジア内で流通したことを明らかにしています。本章では、このような国内外における「漆の文化交流」に注目します。
【第六章】現代の漆・これからの漆
近代まで続いた豊かな漆文化は、現在では危機的状況にあるといわざるをえません。漆文化の現状を見つめるとともに、あらためてその良さを再評価し、また新たな漆文化を展望します。