原安三郎コレクション 広重ビビッド

開催概要

会期
2017年03月18日 〜 2017年05月21日
会場
新潟市美術館 (新潟県新潟市中央区西大畑町5191-9 )
ジャンル
アート
タグ
浮世絵、トークイベント、版画

開催内容

絵師の創意や、彫師・摺師の技を存分に伝えるのが、「初摺」(しょずり)です。「後摺」(あとずり)では、線がぼやけ、摺色も減らされます。歌川広重の傑作〈名所江戸百景〉〈六十余州名所図会〉は当時から評判を集め、数多く「後摺」が摺られました。今回、この二つの連作の「初摺大揃い」を公開、ほんの数セットしか現存を確認されていない、貴重なものです。

しかも、このたび展示される作品は、ほとんど退色が見られません。見事な保存状態を誇る、極上のコレクションです。藍・朱・群青など、つい昨日摺られたばかりのように濃密でビビッドな色彩に、「これがほんとうの浮世絵か」と、どなたも驚かれるに違いありません。

葛飾北斎の〈冨嶽三十六景〉〈諸国名橋奇覧〉など、代表作22 点も出品されます。なかでも、北斎が日本各地の水辺の風景を描いた連作〈千絵の海〉全10 点揃いは、現存数が少なく、非常に珍しいものです。歌川国芳が西洋絵画から影響を受けたユニークな作品、そして広重の肉筆画などもあわせ、総計230 点を展示します。

今回の展示作品は、日本化薬株式会社会長をつとめた原安三郎氏(はら・やすさぶろう 1884~1982)が蒐集したもの。財界の重鎮として活躍した原氏が、実は浮世絵蒐集家でもあったことは、あまり知られていませんでした。原安三郎コレクションの〈名所江戸百景〉〈六十余州名所図会〉のセットが全点公開されるのは、今回が初めてです。

作品保護のため、会期を二つにわけ、ほぼ全ての作品の入れ替えを行います。ぜひリピーター割引(本展の半券提示で2回目以降のご来場は団体料金に割引)をご利用ください。

前期:2017 年 3 月18 日(土)~4 月16 日(日)
後期:2017 年 4 月18 日(火)~5 月21 日(日)


【展示構成】
第1章 初公開 歌川広重〈六十余州名所図会〉
歌川広重(1797~1858)晩年の連作〈六十余州名所図会〉(刊行期間:1853~1856)は、五畿七道(五畿:大和・山城・摂津・河内・和泉内、七道:東海道・東山道・北陸道・山陰道・山陽道・南海道・西海道)の68 ヶ国、これに江戸の風景と、全体の目録を加えた、全70図で構成されます。美しいグラデーションを生み出す「あてなしぼかし」(版木を水で濡らし、その上から絵具を塗って、色を自然にぼかす)という高度な技法が用いられており、原安三郎コレクションでは「雲母摺(きらずり)」(版木に糊を塗って摺り、糊の上に雲母の粉末をふりかける)も見事に残っています。所蔵先よりご理解をいただき、越後の風景を描いた《佐渡 金やま》《越後 親しらず》の2点は、特別に全期間展示します。

第2章 最晩年の傑作 歌川広重〈名所江戸百景〉
最晩年の広重が手掛けた〈名所江戸百景〉は、1856年から没年の1858 年まで118図を刊行、没後の1859年に二代広重による1図が加えられ、目録とあわせた全120 図で構成されました。近景を大きく、遠景を小さく描く構図は大胆で、ゴッホは《大はしあたけの夕立》《亀戸梅屋舗》を模写しています。これまでの展示では、各図を季節ごとに分類した目録に従って配列することが一般的でしたが、この展覧会では作品を地域ごとに分け、実際に江戸名所をめぐり歩くように構成します。広重の目を通して大江戸観光を追体験していただければ幸いです。

第3章 幻のシリーズ 葛飾北斎〈千絵の海〉
広重と並ぶ名所絵の巨匠・葛飾北斎(1760~1849)の〈千絵の海〉は日本各地の水辺の景色を描いた揃物です。智慧の深さを海にたとえる「智慧の海」の言葉遊びになっており、〈冨嶽三十六景〉の成功を受けて刊行されたものと考えられていますが、あまり残されていません。全10 図を揃える所蔵先はほとんどありませんが、この展覧会では全点を展示します。

第4章 名所絵の名品―葛飾北斎、歌川国芳とともに
30代の広重の出世作〈東海道五拾三次之内〉や晩年の肉筆画、そして葛飾北斎の連作〈冨嶽三十六景〉〈諸国名橋奇覧〉〈諸国瀧廻り〉から、選りすぐった名品をご紹介いたします。そして歌川国芳(1798~1861)による、江戸名所を主題とした〈東都〉〈東都名所〉のシリーズ、《忠臣蔵十一段目夜討之図》など、江戸後期を彩った浮世絵師たちの競演をご覧ください。

原安三郎コレクション 広重ビビッド