松本央 solo exhibition 【Beast Attack! 】
会期: 2011-06-01 - 2011-07-08
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
開催内容
科学技術やITなどのテクノロジーの進歩によって、高度に発展を遂げた情報化社会を築いた現代。
我々はその成果として物質的に豊かで快適な生活を送り、個人の権利と自由を手に入れた。
だが、それは同時に個人の欲望を解放し、拡大させることにも繋がった。
資本主義、市場原理主義にのっとった自由競争による経済発展は、
少数の富裕層と多数の貧困層からなる格差社会を生み出した。
人々は再び、自然淘汰、適者生存による弱肉強食のサバイバル世界を自らの手で作り出したのだ。
我々は、この肥大した経済システムを維持すべく、メディアを通して大量の情報を流し、
人々の欲望を刺激し、人々に消費を推奨する。
また快適、簡便さを追求した現代社会では人々が欲望を満たすまでの時間も短縮され、
肉体的な負荷も少なく手軽に満たすことが可能となった。
その進行は都市の発展、日々のテクノロジーの進歩の速度に比例し加速の一途をたどっている。
その結果、欲望を満していくことが常態化し、欲望の肥大化とその制御についての感覚が麻痺し、
反射的に自らの欲望を満たし続けている。自らの欲望をむき出しにし、
それを貪る様は、さながら野獣そのものである。
自己の欲望の無条件の肯定、その行き着く先には一体何が見えるのだろうか。
(松本央)
京都精華大学入学時から、現在までずっと自分をモチーフに絵画制作を続ける松本央が“今取り組む”テーマ【人間の野獣化】。
市場原理主義にひた走る世界、欲望の制御を無くし、自己都合に終始し欲望の肥大化に麻痺した現代人の姿を、自分という社会の最小構成単位を通して冷徹に炙り出す彼の表現は、今もっとも注目すべ芸術表現だと私は思います。
(Program director 上山潤)