藤堂 -瓦礫-
開催概要
- 会期
- 2016年11月25日 〜 2016年12月25日
- 会場
- ART FRONT GALLERY (東京都渋谷区猿楽町29-18 ヒルサイドテラス A 棟)
- 参加クリエイター
- 藤堂
- ジャンル
- アート
- タグ
- 立体
開催内容
藤堂(1969年、東京生まれ)は1997年に多摩美術大学を卒業後、デュッセルドルフ藝術大学に留学し、以後10年以上、ドイツを拠点に作品を制作し発表する実践を重ねてきました。その後、2011年の東日本大震災を機に帰国し、日本を拠点に活動を続けています。
藤堂の作品は、師ダニエル・ビュレンから学んだ作品を構成する要素のそれぞれの必然性という観点と、藤堂自身が学生時代から追い求めている空間と空間の関係性についての思考がベースとなって形作られています。彼の作品の中で最もよく知られているのは、彼自身が自ら現地を訪ねて集めた世界中のファウンド・オブジェとしての石を元に作られる美しい彫刻作品、およびそれを用いたインスタレーションです。作家は選び取った玄武岩や御影石等のもつ自然の生み出した完璧な造形を物理的に切断し、光を透過する素材であるガラスを挟み込むことで、石の採取された固有の場所と場所の経てきた時間、歴史に光をあてようとしています。過去に日本国内で行われた横浜と前回のアートフロントでの展覧会はともに、この手法を用いてヨーロッパという土地に作家として向き合って生み出された作品がベースとなり組み立てられていました。
本展覧会では、これまでとは違い自然の石ではなく人工の建造物の欠片を通して我々は何を感じ、考えるのかという新しい試みを見せていきます。「瓦礫」とあえて作家の言うこれらの欠片、破片は都内の各所でみられる都市開発によって解体された歴史のある建造物や、東日本大震災で被災した場所、あるいはベルリンの壁や、ドレスデンの聖母子教会など様々あります。藤堂が拠点を日本に移して5年。この間に東京は2020年にオリンピック開催が決定し、大規模な再開発が本格的に行われてきています。このような世界規模のイベントを機に都市のスクラップアンドビルドは加速度的に進み、それに伴い1960年代の高度成長期に建てられたコンクリート製の建物等があちこちで取り壊され、その存在を語られることなく消えていっている。今回、藤堂はこうした現在のこの土地の状況を背景に瓦礫を作品化することで、その瓦礫にまつわる人間の営為を浮き彫りにする新しい切り口を提示しています。都市開発や、自然の猛威、戦禍、様々な要因でスクラップアンドビルされて変化してく私たちの暮らす場所の記憶は、瓦礫として葬られるのではなく、作品として留められ、提示されることで未来に託されていきます。地球の歴史という長い時間をはらむ自然石とは異なり、社会と生活の変化とともにある瓦礫の作品は藤堂のより具体的で多角的な人類の歴史を捉える視座を導くものといえるのかもしれません。