熊澤 桂子展 - 新種と増殖 -
開催概要
- 会期
- 2011年04月25日 〜 2011年05月07日
- 会場
- GALERIE SOL (東京都中央区新富一丁目3-11 銀座BLD. No.1 3階)
- 参加クリエイター
- 熊澤桂子
- ジャンル
- アート
- タグ
- ガラス、インスタレーション
開催内容
- 新種と増殖 - ガラスの変形にんじんによるインスタレーション
私が変形にんじんの存在を知ったのは、近所の農家の方にニンジンの収穫作業を初めて頼まれた8年前のことです。
それらは収穫の際、土の中から抜かれると同時に畑に投げ捨てられ、その場でトラクターに踏まれてしまうので、収穫に携わった人しか見ることができません。私はそんな変形にんじんの形の面白さに惹かれ、その形をずっと留めておきたいという思いが生まれてきました。
その後、私が畑で拾い集めた変形にんじん達は、パート・ド・ヴェール技法(石膏型にガラスの粒を充填し電気炉で焼成する技法)によってガラスの変形にんじんに生まれ変わりました。
1年半ほど前、植物工場(環境制御や自動化などハイテクを利用した植物の周年生産システム)をメディアで知り、その映像からインスピレーションを受けて制作した作品が「Plant Factory」シリーズです。
毎年のように言われ続けている異常気象。
それに伴い、農作物は不作になったり、逆に大豊作で廃棄処分を余儀なくされることもあります。
そして先月、想定外の巨大津波によって起こった原発の放射能漏れ事故による深刻な土壌汚染...。
植物工場の更なる普及が、これからの時代もしかしたら必要になってくるのかもしれません。
変形にんじんは、畑の土の中にいる微生物などの影響でできると言われています。遠い未来、畑の土で農作物をつくることが困難な時代がやって来たとしたら、私の愛すべき変形にんじんは化石のような存在になってしまうかもしれません。
そうはなってほしくないと願いつつ、自然界の作り出した造形美を元に作品化することによって、物質的にも、人々の記憶にも、残しておきたいのです。
2011,4 熊澤 桂子