赤田竜一個展 私にキスする時/ Kissing myself

開催概要

会期
2016年08月27日 〜 2016年09月17日
会場
GALLERY MoMo Projects (東京都港区六本木6-2-6 2F)
参加クリエイター
赤田竜一
ジャンル
アート
タグ
ライブパフォーマンス、レセプションパーティー、平面

開催内容

GALLERY MoMo Projects では8月27日(土)から9月17日(土)まで赤田竜一の個展「私にキスする時/ Kissing myself」を開催します。
 赤田竜一は1988年岡山県生まれ、2013年倉敷芸術科学大学芸術学部美術工芸学科彫刻コース卒業、その年の6月にGALLERY MoMo Projects で開催した川上幸之介氏キュレーションによる展覧会「Closed Association」に参加、秒針だけが動き続ける時計による作品は、時間と彼の人間関係や個人的或いは社会的な事象と結びつけ、強い印象を与えました。
 赤田は「モノと人間の関係性に興味がある」と語り、Sol LeWitt / ソル・ルウィットの「作品の外観は重要ではなく、アイディアの表現は数字、写真、単語、またはどのような方法であれアーティストが選択するものはすべて可能である」というコンセプチュアル・アートに於ける「脱物質化」による手法でアプローチしています。
 今展覧会ではいろいろな国の人に母国語で「私は私である」と書いてもらい、それを赤田自身の手で書き写し再現するという手法が用いられています。「私は私である」と書いた人たちは自身と向き合い、また、言葉を書いてもらうことで、赤田は彼らとの間にリアルな関係を作り出し、その言葉を再現することで、改めてその人たちと記憶という形で結びつくことができます。人との関係をこうした言葉という抽象的な関係へと落とし込む作業を通じて、新たな視点と関係性を生み出すことに成功し、川上氏は「知覚情報を再構成することで実存に迫る」と語っています。
 しかし一方で、作家という仲介者が不在となる時、再現されたそれぞれの文字はかろうじて癖のある筆跡で書いた個人を想像することができても、作品として再現された文字から個人的なアインデンティティは喪失し、書かれた言葉のバックヤードとしての国家や民族だけが浮かびあがってきます。また、様々な言語の「私は私である」という文字は、グローバリゼーションにおける多様性と言語の記号的側面を強く感じさせています。提示された作品はシンプルな文字と言葉に過ぎませんが、その思考過程は奥行きと深さを感じさせる作品ともなっています。
 今展では、そうした赤田作品をご高覧いただき、それぞれの想いを巡らせていただければさいわいです。


アーティストコメント
私は、モノと人間の関係性に興味があります。また、そういった関係性を脱物質化した方法で扱いたいと考えています。
今回の展覧会のタイトルは、「私にキスする時/Kissing myself」です。また、このタイトルは展覧会に出品する作品名でもあります。この作品は、私が出会った人に「あなたの母国語で、白い紙とペンを使って、I am I と書いてくれませんか」と尋ねることから始まります。そして、彼らに書いてもらった手書きの文章を、私自身がもう一度書き写す方法を経て制作されています。
スタンリーブラウンという美術作家がオランダにいます。彼の作品に、「This way Brown/ こっちですよねブラウンさん」という作品があります。その作品は、 彼が路上で出会った人々に道を尋ねて、彼の目的地までの地図をペンを使って白い紙に書いてもらい、その手書きの地図を収集していくものです。そして、 ブラウンはそれらの手書きの地図をそのままの状態で額に収めて展示しています。
今回の私の作品は、ブラウンと似通った方法で制作されています。しかし、私の場合は、他者が書いた記録を再度、私自身で書き写す手順を経て制作されています。
「私にキスする時/Kissing myself 」というタイトルは、私が選択したその手順と深く結びついています。
2016 年 赤田竜一

赤田竜一個展 私にキスする時/ Kissing myself