真野佳子展 -Labyrunthos-
開催概要
開催内容
迷宮回廊から知と心のかたちへ 赤津 侃
真野桂子は、画面をイメージ生成の場と組立てる。常に思考と行為が交差し、それが連続、発展し、無限の空間が生まれる。そこに自己凝視の結果、精神の内実が充満した、知性と心のかたちが獲得されている。
明晰な意識と卓越した技量で、大胆な線の集積の形象が生まれる。沈着した色彩と相乗され、呼吸とリズムがみなぎり、限りない想像力に訴える。物々しさと静けさ、饒舌と寡黙、過剰と禁欲とニ元論的な表層は、深層の無限の世界へと視線を導く。気品ある単純さと精微なる威厳の存在感と構築性の衝撃は、やがて観る者の内側に深い波動を描いてゆく。すでに現実の秩序を脱してゆくような自在さが胚胎し、未知の実在をつかみ出したような鮮烈極まる生命の凝縮するイメージを与えられる。
「ラビリントス」は怪物ミノタウロスが閉じ込められた地下迷宮だが、一方、人を惑わす現実界に精神が堕落することであり、そこから脱出するには神秘の中心を見出さなければならない世界をも意味する。真野桂子は、広大な気宇をはらんだ独自の表現で、色とかたちを決定的な相へと昇華させ、迷宮から脱出する内的精神の核心を存分に見せつけてやまない。
(あかつただし 美術評論家)