大久保 如彌| THIS IS NOT MY LIFE
開催概要
- 会期
- 2016年01月16日 〜 2016年02月13日
- 会場
- GALLERY MoMo Ryogoku (東京都墨田区亀沢1-7-15)
- 参加クリエイター
- 大久保如彌
- ジャンル
- アート
- タグ
- レセプションパーティー、平面、現代アート
開催内容
GALLERY MoMo Ryogoku では2016 年1 月16 日(土)から2 月13 日(土)まで大久保如彌(おおくぼなおみ)の5 回目の個展「THIS IS NOT MY LIFE」を開催します。
大久保如彌は1985 年東京都生まれ、2011 年武蔵野美術大学大学院修士課程修了、当ギャラリーでは継続して個展を重ね、昨年はスウェーデンでのレジデンスに参加し、現地での個展では好評を博しました。また、香港でも個展を開催し、その活躍の場を広げています。
大久保は当初、他者との繊細な関係性をテーマに作品を制作し、装うことの意味を問い続け、装飾の持つ機能や意味、社会との関連性を考察しながら、現代社会の断面を作品化しようと試みて来ました。色彩はますますビビッドになり、天賦とも言える色彩感は観る者に深く印象付けられ、しかし描かれた室内や風景は現実とも空想とも受け取れ、顔の隠された人物がさらにその境界を曖昧にさせています。
ドイツの雑誌『ZEIT magazine』とのコラボレーション作品を契機に構図にも新境地を開き、情感を抑えて後ろ向きに描かれた人物も装飾へと同化して、モチーフの持つ意味は次第に抽象化の方向に進みつつあるように思えます。
人物は作家自身が自らのファッションを装って描かれ、時にパターン化するように複数の同一人物が画面に登場し、観る者に不思議な感情と多少の不安感を惹起させ、作品に二面性を持たせています。情感を抑えた人物は室内の家具や装飾品、そして外の風景と等価に、そしてコミカルに描かれた一部の風景は作品に変化をもたらすと同時に状況を曖昧にさせ、具象作品でありながらその内容は抽象的な思考への傾斜を深め、よりアーティスティックでコンセプチュアルな様相を呈しています。
今展覧会では作品のモチーフとなる室内をギャラリーに再現し、さらにそれを絵画作品として改めて描き直し展示するという、人物を繰り返し描写するのと同様に、モチーフの再現を伴うインスタレーションを展開します。前のめりに貪欲に制作を続ける中で新たな世界を構築しつつあり、今後の展開にも期待を持たせ、年初を飾るに相応しい展示となります。室内インスタレーションと共に新作ペインティングとドローイングの展示を予定しており、皆様のご高覧をお待ちしています。
アーティストコメント
私は「イメージ」がアートを含めた様々な媒体で扱われる中で、私たちにどのような影響を与え、社会的な矛盾や問題を生み出してきたのか考えてきました。個人的な経験も踏まえながら、ファッションも自己を装う「イメージ」の媒体のひとつだと考え作品を制作しています。
ジョン・バージャーの「イメージ・視覚とメディア」では、イメージとは「再生産された視覚」であり物の見方を具体化した物だと書かれています。20 世紀まで、多くの西洋絵画のなかに、アーティストは時代の求める「理想像」を描いてきました。
何世紀も経ち、現在のわたしたちはより多様な視点を獲得しました。しかし主に日本をはじめとする先進国では、雑誌やテレビ、インターネットや広告など、より幅広い媒体手段から、限定的な視点による外見のイメージやライフスタイルが提案されています。違う形ではありますが、私たちはいまだに「イメージ」に翻弄されています。さらにSNS の普及により日常生活まで、不特定多数の他人の目を気にする機会がより増えています。
私も常に他人にどう見られているかを気にしながら生活してきました。外見だけでなく、メディアが発信した様々なこうあるべきだという概念が、わたしたちの人生をコントロールしているようにも感じます。
わたしは理想とされるイメージを元にした状況を絵の中に作り、その中に自分を置き、場所に合わせた人物を演じています。理想と現実とのギャップに悩み、翻弄されながらも抵抗する小さな個人の姿を描き、現代の人々とイメージとの関わりを考えながら、矛盾や問題を見つめ作品に表現しています。
2015 年 大久保 如彌