藤森詔子|Wear The Beautiful Skin
開催概要
- 会期
- 2015年07月04日 〜 2015年08月01日
- 会場
- GALLERY MoMo Ryogoku (東京都墨田区亀沢1-7-15)
- 参加クリエイター
- 藤森詔子
- ジャンル
- アート
- タグ
- 平面
開催内容
GALLERY MoMo Ryogokuでは7月4日(土)から8月1日(土)まで藤森詔子による個展「Wear The Beautiful Skin」を開催致します。
藤森詔子は1986年北海道生まれ、東京藝術大学で油画を専攻の後2013年修士課程を修了しました。学部入学前の2006年ワンダーウォール入選以来群馬青年ビエンナーレ2010やFACE2014損保ジャパン美術賞などに入選し、2009年から2012年まで継続して個展を開いてその地歩を築いてきました。
藤森はかつて茨城県のアトリエで制作をしている時、3.11による原発の放射能汚染について「私にとっては目に見えない物質の恐怖よりも、肌で感じ大きく情を揺さぶられる人の存在の方がよりリアリティがあり、シリアスだった。」と個展でのコメントで語っていたとおり、彼女の作品に接する時まず目に入るのは、その肌の薄い被膜を通して内部の肉が透けて見えるような頭部や躯体です。藤森のこだわりがその肌にあることは、そうした表現と共に現在に至るまでの言葉に頻繁に現れていることからも、読み取ることができます。
作品に登場する人物の多くは年齢差や性差に関係なく頭髪がなく、しかもそれ以外の肉体の部分と変わらないタッチで描かれ、そうした人体は裸体であるほど性別は曖昧になっていますが、コスチュームを纏うことで、その性や人物のディテールが垣間見えるようになっています。
近作では肌の露出が抑えられ、情念をつなぐ肉体よりファッションや物への志向を強め、一見すると自己表現のツールが増え、コミュニケーションが深まっているように見えます。しかし一方でそうした志向は自分の持つ感情を覆い尽くし、深い関係を避けようとする姿勢とも受け取れ、より無機質化しつつある人物表現は、現代人の持つ自己矛盾への表出でもあるように思えます。
肌は人間の感情をつなぐ重要なツールであり、コスチュームは少し距離を置いた人間関係の表現ツールと見られ、隠す道具であると同時に見せる道具ともなっていて、「ファッションは“第二の肌”である」という言葉につながっています。近作では、情念をつなぐ肉体よりファッションに志向することで、人の持つ感情を覆い尽くそうとするように思え、人間への眼差しに変化の兆しが見られるのかも知れません。
今展では旧作を含めた油彩8点及び彫刻4点により展示致します。夏の始まりにふさわしい新たな出発となる展示にご期待いただき、ご高覧いただけるよう切にお願い致します。
[アーティストコメント]
私は、-肌で感じる- ということを大切にしてきました。
ファッションを纏うように、私は絵の中のモチーフに様々な肌を纏わせています。
繁華街では、人もマネキンも様々なファッションやコスチュームを身に付けています。
ファッションとは身に付け装うもの。装うことで、その人の一番敏感な部分や本音を覆い隠し、また、何者へかの変身願望を叶えるように露わになる表面をカスタムします。言わば、ファッションは“第二の肌”であると捉えています。
このような意識で繁華街を歩いていると、行き交う人々の内包する思念や、日本の民族性のようなものまでもが2つの肌を通じて見えてくるように思いました。日本は「隠す美学」と言うけれど、この2つの肌は、どちらを纏ってもその対象を赤裸々にします。
2015年 藤森 詔子