植物のものがたり -夏のアサヒビール大山崎山荘美術館コレクション
開催概要
- 会期
- 2015年07月04日 〜 2015年09月13日
- 会場
- アサヒグループ大山崎山荘美術館 (京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3)
- ジャンル
- アート
- タグ
- 平面
開催内容
本展は、印象派の巨匠クロード・モネの《睡蓮》や、かつて大山崎山荘の温室で栽培されていた蘭を収めた版画集『蘭花譜』など、所蔵品から植物にまつわる作品の数々を紹介するとともに、その表現と時代背景にについて考察する展覧会です。
創造の源泉を求めて旅に明け暮れたクロード・モネ(1840-1926)は、晩年になるとパリ近郊のジヴェルニーに暮らし、絵を描くように庭を造りました。草木の配置や花の組みあわせを研究し、庭師を使い、自身のイメージを現実の庭に再現したのです。庭に思索と安穏を見いだしたモネは、この庭から数多くの作品を生みだしました。
草花の美しさはわれわれの想像力を刺激し、その芳しい香りは潤いをあたえ、植物がもつ豊かな生命力は人々の憧れでありつづけてきました。本展では、クロード・モネの《睡蓮》や昔日の大山崎山荘の遺品である『蘭花譜』をはじめ、植物が描かれた古陶磁や、河井寬次郎(1890-1966)、濱田庄司(1894-1978)らが手がけたやきものまで、アサヒビール大山崎山荘美術館の所蔵品から、植物にまつわる表現の数々をご紹介いたします。
加えてこれら美術作品にみられる多彩な表現はもちろん、約5500坪の当館庭園には、池を彩る睡蓮やアジサイ、大木の上にはタイサンボクの白い花、隅々には甘い芳香を放つクチナシなど、美しい自然の植物もご堪能いただくことができます。コレクション・建築・庭園・自然が調和した環境のなか、自然を愛し、植物に魅せられ、豊かな生命力に創造の源泉を求めた人々の想い、いのちへのまなざしを感じていただければ幸いです。
※蘭花譜(らんかふ)とは
大山崎山荘を建設した実業家の加賀正太郎(1888-1954)が1946年に300部限定で出版した版画集。蘭栽培を趣味とした加賀は、専門の技師を迎えて設備を整え、最盛期には大山崎山荘の蘭温室で1万鉢近い蘭が栽培されていた。
『蘭花譜』には104点の図版が収められており、うち83点は木版画で制作された。加賀は欧米の植物図譜を多く所蔵しており、『蘭花譜』出版にあたり、これらに負けないものを制作しようと腐心した。石版画や当時最新の印刷技術を試みるなど試行錯誤を経て到達したのが、わが国で非常に高い水準を誇る木版画であった。『蘭花譜』に収められた木版画1点あたりの摺りの回数は、じつに120~150回にも及んだという。