藤井聡子日本画展 ─交差の軌跡─
開催概要
開催内容
日本美術院を中心に活動している藤井聡子(当財団10 期奨学生)の美術館での初個展。叙情的な自然風景、人々の営みの一瞬を等身大の眼差しで捕えた表現など大作を中心に展覧します。日本美院展出品作以外にも装飾性の高い「かな料紙」をベースに日本画と書の融合を目指した作品、本展が初公開となる最新作の屏風作品なども展示いたします。日本画の確かな技法に裏打ちされた作家の静謐な世界観を是非ご堪能下さい。
*期間中一部展示替えをおこないます。
*前期:5 月12 日(火)~5 月31 日(日)*後期:6 月2 日(火)~6 月21 日(日)
<作家コメント 本展によせて>
この度、佐藤美術館にて個展を開催させていただくこととなりました。私は佐藤国際文化育英財団の第9 回の奨学生でしたので、美術館とのご縁はもう15、6 年になります。おぼつかない制作者の歩みをいつも温かく見守っていただき、叱咤激励と事あるごとに、出展の機会を与えていただきました。美術館の10 周年記念展、20 周年記念展にも参加させていただき、それぞれが私にとっても大きな節目となりました。美術館を自分の作品だけで飾るような日が来るとは想像できなかったことですが、今日までの歩みと、近年取り組んでいる試みをご高覧戴きたいと思います。3階には院展を中心に出品してきた作品を、4階にはかな料紙と日本画を組み合わせた作品、5階には初期の作品を中心に展示しました。この様な趣向の異なる展示をお愉しみいただけましたら幸いです。
特に4階の展示は20 年越しの夢でした。女子美術大学の学生だった頃、幼い頃から学んでいた書と修学中の日本画を組み合わせて作品にできないものだろうかと考え、文化祭にそれらしい作品を出展したことがあります。しかし思い描いていたイメージを具現化することは叶わず、伴わない技術、素材への理解も乏しいことを痛感するだけでした。表現するためには習得するべきものがあると東京芸術大学文化財保存学科へ進学し、古典絵画技法を学び、出来ることが1つ1つ増えました。料紙のことをご教授くださる女子美術大学の大先輩でもある大柳久栄先生との出会いと、書の手ほどきを受ける叔母の応援もあり、やっと形になりつつあります。まだまだ至らないところはありますが、今回の個展開催をこれからの歩みの糧としたいと思います。
作品や資料を所蔵してくださる方々のご協力を得、この度の展覧会が開けますことを本当にありがたく思い、この場をお借りして御礼申し上げます。最後にかかる企画をしていただいた佐藤美術館の皆様に心より感謝を申し上げます。
藤井聡子