The Fruits of Adventures

開催概要

会期
2011年03月11日 〜 2011年05月28日
会場
ZEIT-FOTO Kunitachi (東京都国立市中2-22-33)
参加クリエイター
進藤万里子 / 田中麻記子 / 前田朋子 / 屋代敏博 / 山脇紘資 / 三川義久 / 安斎重男 / 青木野枝 / いとうまり / 何杰
ジャンル
その他
タグ
写真、平面

開催内容

政治、経済、そして文化までが閉鎖的になっている島国ニッポンを離れ、自分が選んだ場所をアトリエとして創作活動に熱中するアーティストたち。ドイツ45年間滞在組からボルネオ5日間組まで、他者性の文化圏に身を置いた超世代の表現者たちの作品群が「母船を離れて(The Fruits of Adventures)」展だ。

22年前、わたしたちは「オリエンタリズムの絵画と写真」展を国内各地の公立美術館と共催した。そのきっかけとなったのはイスラム出身のイデオローグ、エドワード・サイードの著書「オリエンタリズム」だった。19世紀末に欧米列強でブームになった誤解と憧憬に満ちた東方幻想=オリエンタリズムをサイードが強烈に批判したのだ。では欧米のオリエント幻想を日本人から見たらどうなるのか?日本の写真作家たちの作品制作を通してオリエンタリズムを検証する試みこそが1989年のわたしたちの展覧会だったのだ。森山大道、柴田敏雄、畠山直哉、松江泰治達らは、それぞれ選択したオリエント(イスラム文化圏)諸国を探訪し、植田正治や杉本博司は在住の鳥取砂丘やニューヨークで作品制作を試みた。展覧会では収集した19世紀から20世紀初頭の欧米のオリエンタリズム絵画、写真に対比させて、それら日本の作家の作品を展示した。20人程参加した写真家の作品が全て的を射たものとは云えないが、神蔵美子の様に見事にサイード側に立った観察を作品化した者もいたし、イスラムの地から好みのテクスチュアを見つけて自分の仕様で切り取る者、さらに日本的なオリエント幻想をユーモラスに創作した者もいた。 この展覧会は結果的には多数の入場者を得て成功したように思える。植民地支配時代の幻想的芸術観に対して、現代日本人のオリエンタリズムを提示したのだ。企画をたてた者として経費はともかく、その検証行為は筆舌に表せないほど愉しいものであった。

今回の「母船を離れて(TheFruitsofAdventures)」展はその先を見るべく企画した。かつてよりはるかに閉塞的で冒険を好まなくなった日常生活という母船を離れたアーティストたちが、自ら選んだ異光景の中で何を見つめ、採用して、つくりあげ、提示するか興味深い。そのボーダーレスな作品は、果たして観る者の好奇心に火をつける事ができるだろうか?


2010年1月 石原 悦郎

今回は海外で取材・制作した日本人作家の新作(写真・絵画など)を冒険の成果として展示いたします。

■ 出品予定作家
三川義久/安斎重男/青木野枝/進藤万里子/田中麻記子/前田朋子/いとうまり/屋代敏博/山脇紘資/何杰

The Fruits of Adventures