鈴木貴博 生きろ美術館展
開催概要
開催内容
「生きろプロジェクト」と「絵画」
本展では、現代美術作家・鈴木貴博(1967年大阪生まれ)の全貌を紹介する。
彼は1990年代から世界各国を渡り歩き様々な場所で「生きろ」の文字を書くパフォーマンスを続けている。なぜ「生きろ」と書くのか?それは彼が、そして人間が生きているから、としか、その理由は見当たらない。「生きろ」と書かれた紙やノートは、まさに彼の「生」の痕跡なのだが、それは彼1人だけのものではない。鈴木は多くの行き交う場所でパフォーマンスを行う。ただ文字を書くだけの行為を多くの人が目撃し、そこに作家との出会い、語らいが生まれ、時に観客もそこに参加する。書き付けられる「生きろ」は、より多くの人々の「生」の痕跡としてそこに現れるのである。
一方で、元々画家であった鈴木は、最近再び「絵画」を制作している。その内容は、西洋絵画のパロディから、動物や植物を描いたもので多岐にわたるが、それは彼のこれまで学んできた「絵画」の源流をさかのぼっているようなところがある。乱雑に書き連ねられる「生きろ」と、熟練の技法で描かれる「絵画」は、鈴木貴博という美術家の両極を示しているように思える。この両極を同時に紹介する方法として、本展では、鈴木貴博に、約1ヶ月間(8月6日~9月7日)の滞在・公開制作をお願いした。作品のみの展示ではないこのプロジェクトで、展示室内でなにが起こるのか。興味は尽きない。