現代フランスを代表する日本人アーティスト 「光の画家 松井守男」展
会期: 2014-06-07 - 2014-07-13
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
平面
開催内容
松井守男(1942 年愛知県豊橋市生まれ)は、フランスのコルシカ島と長崎県五島市の久賀島を制作の拠点に活動する画家です。1967 年にフランス政府給費留学生として渡仏。アカデミー・ジュリアン、パリ国立美術学校で学び、以後パリで画業を重ねました。その後、1998 年にコルシカ島に本拠を移し「終の棲家」と定めますが、2008 年に五島の久賀島を訪れた松井はその自然の光と歴史に心打たれ、以来同地にもアトリエを構え「第二の故郷」として制作の軸足を置いています。様々な苦悩を経つつも制作を手放さなかった松井は、ついに面相筆による極細の描線の重なりにより画面に光を顕現させる表現を確立しました。その西洋のものでも東洋のものでもない独自の芸術は高く評価され、フランス政府より2000 年に芸術文化勲章を、2003 年にはレジオン・ド・ヌール勲章を授与されるなど、日本人でありながら現代フランスを代表する画家の一人とされています。また現在は、五島市の「ふるさと大使」としても活躍しています。
本展覧会では、縦2m、横10mにも及ぶ大作群(未発表作、最新作を含む)を中心に、代表作《遺言》(1985)や最初期の油彩画、1990 年代の作品、「富士山」のシリーズ、パステル画、ドローイング等を展示し、総数約200 点の作品により愛と光に満ちた松井守男の世界をお届けします。
東日本大震災からの復興への祈り、世界に誇るべき日本の精神の伝承、被爆地・長崎へのオマージュ、身の回りの存在への素直な愛情、自身の道程の回顧。作家の様々な想いが込められた作品の数々が一堂に会す本展は、自らの目と心を通し自分自身の価値観を育むまたとない機会となるでしょう。
《メッセージ》
山下洋輔さん(ジャズピアニスト)
守男さんと出会って40年以上経つ。長いと言えばそうだが、互いに創作に没頭して過ごした時間は一瞬だとも言える。彼がコルシカに住んだことがきっかけで、ソロピアノ・アルバムを作ることが出来た。その中の何曲かは今でも演奏しているが、そろそろ「久賀島版」が誕生するかもしれない。初期からの膨大な作品群も勿論だが、長崎に居を構えてからの彼の表現には、あらためて突き動かされるような胸騒ぎを感じるのだ。
吉永小百合さん(女優)
あの日、松井画伯は久賀島の桟橋からアトリエまで、飛ぶように走って来られました。そして、突然に訪れた私達に、素晴らしい作品を見せて下さったのです。魂を込めた大きな大きな絵を前にして、私は圧倒されました。2011年3月の末のことです。
三年の年月が流れ、長崎県美術館で本格的な展覧会が開かれると伺いました。広い空間で、画伯の雄大な作品と再び向き合うことを楽しみにしています。